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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :05/02/16:11

08230700 病院船を考える

産経新聞によると、政府が病院船導入の検討を始めたようです。〝ようやく〟というのが感想です。





ただ、誤解している面も多々あり、そうした誤解をなくして病院船を導入しなければ、経費のかかる大飯食らいになりかねません。

この動きに反対する何事にも反対する左翼崩れにとって、格好の攻撃材料になるのは説明するまでもないでしょう。

そうした左翼系のブログの中には、〝「待機状態」にして保有するのは余計な経費がかかる〟と早速反対の動きをする方もいます。

軍事だけでなく、こうした緊急対応を要する組織などを維持するには当然費用はかかります。日々の点検も行わず、出動となったときに故障して動かない消防車や救急車があるでしょうか。

人を救う資機材や組織は、保険と同じです。これは国防に関しても全く同じですが、掛け金の額によっては補償の内容が全く変わります。ほかにも左翼崩れは攻撃している点もありますが、あまりにも現実離れした指摘が多く、こうした点に反論するのは時間の無駄ということで割愛します。

政府もスタートから大きな間違いを犯しています。というよりも勉強不足です。

「病院船建造は護衛艦並みの数百億円の費用が必要」と政府関係者が語っているそうですが、世界最大級の病院船を持つ米海軍は、マーシー級病院船2隻を保有していますが、もとはタンカーを改装して再就役させたものです。排水量69,360㌧、全長272.6㍍、1,000床のベッド、12室の手術室を持っています。

政府は決まり文句の〝海外での大災害への派遣、海賊・テロ対策に当たる艦船の支援に活用〟などと金科玉条のように付け加えますが、中国のように病院船をアフリカ方面を巡回させ診療を行い親切を売り物にするのか、それとも純粋に「有事」に備えたものにするか、明確な指針がなければ頓珍漢な病院船ができあがってしまいます。

ちなみに、米海軍マーシー級病院船は、出航まで5日間の時間を要し、緊急対応には向いていないものと私は見ています。

海自では「おおすみ」型輸送艦「しもきた」車両甲板に陸自野外手術システムを展開する技術試験が行われており、これにより複数の野外手術システムの展開可能と実証されました。問題点は野外手術システムの電源確保だけで、こうした点から考えれば、新規に病院船を建造もしくはタンカー改装による病院船再就役よりも、今回の東日本大震災で海上輸送能力の低さが明らかになったのですから、海自の輸送能力アップのために、災害時に野外手術システムを展開可能な輸送艦を増勢させるべきではないでしょうか。

ただ、今回の病院船保有検討は大変結構なことですが、日本の政治家・官僚に先見の明のなさが目立ちました。

「しらせⅠ」を除籍後、解体するかどうかもめていましたが(民間気象情報会社が買い取り)、どうしてこうした艦船の活用を思いつかないのでしょうか。食糧50㌧、燃料350㌧、その他600㌧の搭載量、ヘリコプター3機を搭載でき、「しらせⅠ」を病院船に改装することは最も適したものだったはずです。「しらせⅠ」を運用し、問題点を解決して次の病院船を作るのがベストな選択だと思います。

無駄を省くといいながら無駄を自分達が率先する政治家・官僚たち。危機管理が根付かない日本ではありますが、それを逃げ口上にして何もしないままでいられては国民はたまったものではありません。

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