忍者ブログ

憂い next ver.

新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

04261317 [PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

  • :04/26/13:17

04011956 ハート・ロッカー

第82回アカデミー賞で作品賞を含む9部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、オリジナル脚本賞、編集賞、音響編集賞、音響調整賞の6部門を受賞した『ハート・ロッカー』ですが、この作品はイラクを舞台としたアメリカ軍の爆弾処理班を描いた戦争アクションです。





タイトルのハート・ロッカーは、アメリカ軍内の隠語です。

日本の陸上自衛隊には不発弾処理隊があります。
第101不発弾処理隊(沖縄方面:第15旅団隷下)
第102不発弾処理隊(関東甲信越、静岡方面:東部方面後方支援隊隷下)
第103不発弾処理隊(関西、東海、北陸、中国、四国方面:中部方面後方支援隊隷下)
第104不発弾処理隊(九州、南西諸島方面:西部方面後方支援隊隷下)

任務は太平洋戦争で使用されたアメリカ軍の不発弾処理ですが、戦争中の不発弾の処理は警察の担当とされています。しかし、軍用爆弾は構造が複雑で、爆弾を無力化するには専門知識が必要なため、自衛隊が処理に当たります。

不発弾の処理は信管を取り外され、一応の処理を終わりますが、取り外した信管だけでも手榴弾程度の威力のある爆発が起こり、鋭敏で、ちょっとした振動や衝撃で爆発するため、取り外した信管の取り扱いも注意しなければなりません。

本体だけでなく信管が爆発すれば、処理に当たる隊員の生命は危機的状況となります。

こうした処理作業には、発見された状態のままで、周囲に土嚢などを5~10mの高さに積み上げられます。周辺に爆発した場合の被害を限定させるのが目的です。

平成15年度までの記録ですが、不発弾は5,444t、113,703件を記録しています。特筆されるのは、陸自の処理隊は〝無事故〟を記録し続けています。これは、処理隊の高い技術力を物語るものです。世界的にも高い評価を受けています。

皆さんに知っておいていただきたいのは、出動1回で5,200円、危険性の低いものでは1時間で110円が支給されるだけなのです。これが高いか安いか、ご判断ください。

そして、不発弾についてですが、軍用の爆弾に充填されているのは火薬ではなく、火薬を化学合成したもので、経年劣化することはありません。不発弾は生きているのです。

そんな敵を相手に処理隊の隊員たちは戦い続けているのです。彼らは、不発弾処理という仕事ではありますが、「死」の恐怖との戦いでもあるのです。

隊員自身だけでなく、支える家族には頭が下がります。

ハート・ロッカーの裏にある現実。映画をご覧になった方、そうでない方も、このような厳しい現実があることを覚えておいていただければ、隊員たちの励みになることでしょう。

拍手[0回]

PR

はじめまして。

2年ほど前からブログを拝見させて頂いてます。 とても勉強になり考えさせられます。

  • :2010年04月02日金
  • +
  • +:地雷原処理隊員
  • +

+コメントの投稿+

+NAME+
+TITLE+
+FONT+
+MAIL+
+URL+
+COMMENT+
+PASS+
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

+TRACK BACK+

+TRACKBACK URL+