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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :04/19/14:21

08250700 原発危機を訴える人

政府・東電の原発事故対応には呆れるばかりですが、メディアに顔を出す〝危険〟を訴える専門家が多く存在しています。





その中の一人、京都大学原子炉実験所助教兼京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻助教の小出裕明氏のインタビューが8月22日文化放送「吉田照美ソコダイジナトコ」の週刊エンターというコーナーで放送されていました。

吉田照美氏は、チェルノブイリ事故でガイガーカウンターを独自で購入し放射線を測定していたそうです。

小出氏は、原発危機を訴える中の一人で、原子炉を研究しながら危険性を訴え続けた「熊取六人衆」と呼ばれる研究者の一人です。

小出氏に疑問を持ったのは、「人体に何の影響も無い放射性物質などありません」と述べた記事を目にした時からです。

原発事故から放射線の測定は当然されなければなりませんが、微量の放射線は医療行為に使用されており、それも〝悪〟とすると、現在まで築き上げてきた医療は崩壊することになります。微量の放射線の影響を確認する方法はありません。

そして何よりも、小出氏は放射線医学は全くの専門外であるということです。専門外の人間が、「専門家」として危険を訴えるのを信用しろというのは無理です。

番組では、小出氏に吉田氏がインタビューしていますが、そこで驚くべき言葉がありました。

福島第一原発3号炉の話で、吉田氏の「核爆発」という言葉からでした。

吉田氏(以下「Y」)「3月14日にこれは核爆発だったわけですか」
小出氏(以下「K」)「水素爆発です」
Y「水素爆発」
K「私は水素爆発だと思っています」
Y「あー、そうですか」
K「核爆発ではないかという推測をされる方もいます。いますし私自身それを絶対的にそうではないという断言できる自信もありませんけれども。多分、私は水素爆発だと思います」

原子炉が再臨界する可能性が論じられ、そこで「核爆発」する可能性が取沙汰されました。

再臨界とは核分裂連鎖反応が再び起きることで、最悪のシナリオ(再臨界)が始まると「煽る人」は語り、日本は完全に「死の国」になると言い続けました。

核燃料であるウラン、プルトニウムは核分裂する際に巨大なエネルギーと中性子を放出します。このエネルギーは発電に使われ、中性子は別の燃料(原子)に衝突して、次の核分裂を起こします。核分裂→中性子放出→核分裂の連鎖反応が続き、こうした状態を「臨界状態」と呼びます。正常な状態での原子炉では、臨界状態が保たれていて、エネルギーが出し続けられるのです。

このとき、多くの放射線が放出されますが、通常状態では圧力容器や格納容器で遮られ、ほとんどの放射線は外部に漏出することはありません。〝ほとんど〟としたのは、一部の放射線は外部に漏れているためです。

原子炉は地震の発生で、「制御棒」が挿入され臨界が止められます。

再臨界するとすれば、制御棒が抜け落ちるか燃料棒が溶解して制御棒のない部分に溜まり臨界する可能性が考えられます。

しかし、再臨界は起きませんでした。再臨界が起きても、核分裂もしくは核融合反応を連続して短時間に起こす必要がある核爆発は、人為的に核分裂・核融合を起こさなければ全く可能性はありません。

私ですら、知っているのですから、原子炉の専門家であるはずの小出氏が、このくらいの知識は持っていて当然です。

しかし、それでもなお「核爆発」という言葉を口にしたのは何故なのかわかりません。

先述したとおり、小出氏は「人体に何の影響も無い放射性物質などありません」と述べていますが、小出氏は原子炉の研究者であって、放射線医学の研究者ではないのです。

私は今回の原発事故で、「危険」を口にする専門家が少なくないことを皆さんはご承知だと思いますが、医学的専門家は少ないという〝事実〟を理解した上で、こうした人々の話を聞いて欲しいのです。

テレビなどで冷静な原子炉専門家や冷静な放射線医学専門家は、恐怖を煽ってパニックを起こさないように慎重に言葉を選んで私達に伝えてくれますが、この慎重さが逆効果となり、「何かを隠している」という印象を植え付けてしまっていることも事実です。

パニックとなり、避難する人たちが溢れ二次災害を起こしたり、精神的なストレスとなり健康を害することさえ有り得るのです。放射線により発ガンリスクが高まっているとされていますが、発ガンはストレスによる免疫力の低下でも起こり得るのです。

英王立放射線科医協会の指導医であったボブ・バリー氏は、『ブルームバーグ』に「日本の状況は、放射線への恐怖が実際の放射線よりはるかに大きな被害を引き起こしたという意味で、チェルノブイリと同じパターンをたどるでしょう」と語っています。そして、ブルームバーグはボブ・バリー氏のインタビューを「香港の九龍の放射線量は原発事故の恐怖に包まれる東京を上回っている」という記事の中に掲載しています。

現在の状況は、一時はパニック状態になった海外のほうが冷静に受け止めています。日本はまったくその逆で、不安に駆られ専門外の専門家の言葉に一喜一憂しているといった有様なのです。

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