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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :11/25/14:28

12170800 元自衛官流サバイバル

東日本大震災での自衛隊の活動は、創設以来初の「有事」であり、これほど大規模な部隊運用は初の体験であったにもかかわらず、スムーズな活動が実施できたのは、自衛隊の部隊としての能力の高さもさることながら、隊員一人一人に「他人のために」という強い思いがあったればこそ可能になったものだと私は確信しています。

自衛隊だけでなく、警察官、消防隊、消防団、各自治体の職員などの活躍は、すべて「他人(誰か)のために」という思いが強かったからこそできたもので、私は彼らを褒めていただきたいと思っています。






震災から、「自助・共助・公助」や「サバイバル」なる小難しい言葉が濫用されていますが、そんなことよりも災害に直面した場合に必要なことは、いかに「自己完結」するかという心構えと準備だと私は思います。

自己完結とは、自分がすべての事象に判断を下し行動することです。

災害に直面した場合、情報収集、避難、食料・飲料水の確保など様々なことに対処しなければなりません。

それができれば、小難しいことなど学ぶことも身につける必要もありません。

しかし、日本人には難しいことかもしれません。

その証拠に、震災から半年後に首都圏近くを通過した台風15号の影響で首都圏の交通が麻痺状態となり、東日本大震災の日と同様の帰宅困難者が都内に溢れました。

交通網が麻痺した場合の「自己完結」とは、まず、帰宅するかどうかから考えることです。会社に残るか、帰宅するか、会社に帰れない場合は宿泊するか、野宿するかと選択肢が増えます。

ここで重要なことは、無理や無茶をしないことです。

台風15号の接近では、強風が吹き荒れる中、徒歩で帰宅を目指した方も少なからずいらっしゃいましたが、台風は強風により交通網が麻痺するのですから、台風が通過すれば風はおさまり交通網も復旧します。ですから、安全な場所で待機するのがベストな選択ではないでしょうか。

東日本大震災のような状況では、徒歩で帰宅を目指すことがベストですが、移動する場所が地震による被害がないかなど情報収集が重要となります。

東日本大震災では、首都圏での被害は少なかったため徒歩で帰宅することはベストな選択といえます。しかし、徒歩での帰宅を決めても、飲料水の補給や、ある程度の距離の移動となれば食料やトイレの準備(想定)も必要になります。

慣れていれば簡単ですが、こういった思考になれるまでには時間を要することになると思います。

東日本大震災では自衛隊の活動にばかり注目されましたが、私は被災地に派遣された警察官たちの苦労は並大抵のものではなかったのではないかと思います。

機動隊であれば野外での活動がある程度ではありますが想定されていますが、被災地の治安維持などに当たった交通・地域・警邏・生活安全などの各警察官は野営などの経験はあるはずもなく、派遣が決まって被災地周辺での宿泊施設探しから始まったものと思われます。

しかし、被災地が広域であるため、被災地の周辺地域の宿泊施設は被災者を優先して収容され、派遣警察官の宿泊できる施設は限定されていたことでしょう。

仮に宿泊施設が見つかったとしても、被災地での活動には施設が準備した弁当持参となることでしょう。

これでは、民間人のボランティアとまったく変わらない状態です。

警察に自己完結能力を付与すると簡単に言えますが、それではこれまで築き上げてきた組織を改編する必要があり、大規模災害には自衛隊・警察・消防・海保などを統合運用できるよう法改正や統合できるようしなければ、警察官や消防隊に無用な負担を強いることになります。

組織を超えて、「誰かのために」という思いが結実するよう、政治家や官僚諸氏に検討いただくようお願いしたいものです。

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