憂い next ver.
新・元自衛官の憂い
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02181235 | [PR] |
04050800 | 陸上総隊~陸幕にくすぶる不満~ |
自衛隊は海自の自衛艦隊の自衛艦隊司令官、空自の航空総隊司令官が全国の部隊を一元的に運用していますが、陸自は全国の部隊を一元的に運用する組織がありません。
陸自の最大部隊単位は方面隊で、全国に北部・東北・東部・中部・西部の5方面隊が存在し、有事には方面隊に対し個別な命令を出す形になっています。これは非効率で、その解決策として「陸上総隊」構想がありました。
実現に向けて動いていましたが、民主党への政権交代により棚上げされたままになっていました。
産経新聞が伝えたことですが、東北方面総監から陸幕長となった君塚陸将が陸上総隊構想を断念し、陸幕内に不満がくすぶっているというのです。
産経新聞によると、構想断念を決めたのは君塚陸将とし、君塚陸将に対する不満が一部の陸幕幹部に広まっているというものです。
事実だとすれば由々しき問題です。
この程度の問題でグラついていては、有事には期待できない組織といわざるを得ません。
確かに機能的な運用は可能です。それは認めますが、それで何らかの支障が出るのであれば、ひたすら被災者と被災地のためにと前線で踏ん張り続けた最前線に立った隊員たちの志を無にするのではないでしょうか。
産経新聞の記事によれば、庁舎はすでに準備されるとあり、これが事実であればどういうことなのか理解できません。命令に忠実であるべき組織が、先走っていることになります。
震災で評価されたのは、指揮官ではなく最前線に立った隊員たちであり現場指揮官です。
総隊構想が機動力を上げるのは一面では事実でしょう。しかし、東日本大震災で奇妙なことが起きているのです。
海自は自衛艦隊司令官が地震発生から6分後に出動可能艦艇の出港を命じていますが、空自航空総隊司令官から命令が発出された記録が存在していません。
機動性の高い部隊運用が可能なはずの空自が、総隊司令官から何の命令も出なかったのではないかという疑問が浮かびます。
陸自は東北方面隊が、事前に決められた計画に従い地震発生後から動き出していたはずで、空自の情報が伝わっていないのは「命令」が存在していないと判断するのが妥当です。
以前、空自松島基地の救難隊が動かなかったことに疑問を呈しましたが、その後の報道で、地震直後の天候により視界不良だったことが出動できなかった理由として伝えられていますが、これは航空法により制限されているのは事実であり、それを守らなければならないことです。
しかし、「他を生かすために」が救難隊のコンセプトであるとするならば、法律よりも守らなければならなかったものがあったのではないでしょうか。
「震災対応では統合任務部隊指揮官として立派に任務を完遂してくれた」。陸自OBは君塚氏を評価した上で、苦言を呈す。「だからといって有事の際、一方面総監が陸海空の統合任務部隊を率い、作戦を遂行できると判断するのは甘いのではないか」(産経新聞記事より)
私は東日本大震災は、自衛隊にとって史上最大の作戦というだけでなく、自衛隊にとっては「有事」であったと思います。
それを、問題なく指揮統率できたのは君塚陸将の能力と、各東北方面総監部の幕僚たち、最前線に立った隊員と現場指揮に当たった各級指揮官の高い能力があってこそ完遂できたと思います。
組織云々で不満を抱く前に、出来ることを難なくこなせる能力を身につけるべく研鑽を重ねることを望みます。一納税者として陸幕内の不満分子に告げたいと思います。
陸自の最大部隊単位は方面隊で、全国に北部・東北・東部・中部・西部の5方面隊が存在し、有事には方面隊に対し個別な命令を出す形になっています。これは非効率で、その解決策として「陸上総隊」構想がありました。
実現に向けて動いていましたが、民主党への政権交代により棚上げされたままになっていました。
産経新聞が伝えたことですが、東北方面総監から陸幕長となった君塚陸将が陸上総隊構想を断念し、陸幕内に不満がくすぶっているというのです。
産経新聞によると、構想断念を決めたのは君塚陸将とし、君塚陸将に対する不満が一部の陸幕幹部に広まっているというものです。
事実だとすれば由々しき問題です。
この程度の問題でグラついていては、有事には期待できない組織といわざるを得ません。
確かに機能的な運用は可能です。それは認めますが、それで何らかの支障が出るのであれば、ひたすら被災者と被災地のためにと前線で踏ん張り続けた最前線に立った隊員たちの志を無にするのではないでしょうか。
産経新聞の記事によれば、庁舎はすでに準備されるとあり、これが事実であればどういうことなのか理解できません。命令に忠実であるべき組織が、先走っていることになります。
震災で評価されたのは、指揮官ではなく最前線に立った隊員たちであり現場指揮官です。
総隊構想が機動力を上げるのは一面では事実でしょう。しかし、東日本大震災で奇妙なことが起きているのです。
海自は自衛艦隊司令官が地震発生から6分後に出動可能艦艇の出港を命じていますが、空自航空総隊司令官から命令が発出された記録が存在していません。
機動性の高い部隊運用が可能なはずの空自が、総隊司令官から何の命令も出なかったのではないかという疑問が浮かびます。
陸自は東北方面隊が、事前に決められた計画に従い地震発生後から動き出していたはずで、空自の情報が伝わっていないのは「命令」が存在していないと判断するのが妥当です。
以前、空自松島基地の救難隊が動かなかったことに疑問を呈しましたが、その後の報道で、地震直後の天候により視界不良だったことが出動できなかった理由として伝えられていますが、これは航空法により制限されているのは事実であり、それを守らなければならないことです。
しかし、「他を生かすために」が救難隊のコンセプトであるとするならば、法律よりも守らなければならなかったものがあったのではないでしょうか。
「震災対応では統合任務部隊指揮官として立派に任務を完遂してくれた」。陸自OBは君塚氏を評価した上で、苦言を呈す。「だからといって有事の際、一方面総監が陸海空の統合任務部隊を率い、作戦を遂行できると判断するのは甘いのではないか」(産経新聞記事より)
私は東日本大震災は、自衛隊にとって史上最大の作戦というだけでなく、自衛隊にとっては「有事」であったと思います。
それを、問題なく指揮統率できたのは君塚陸将の能力と、各東北方面総監部の幕僚たち、最前線に立った隊員と現場指揮に当たった各級指揮官の高い能力があってこそ完遂できたと思います。
組織云々で不満を抱く前に、出来ることを難なくこなせる能力を身につけるべく研鑽を重ねることを望みます。一納税者として陸幕内の不満分子に告げたいと思います。
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