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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :09/20/22:39

05051000 茶番劇の始まり

防衛省は自衛隊で使用する国産航空機を民間に転用する検討を本格的に始めたそうです。





目的は量産効果により、調達費の縮減と防衛費削減でダメージを受けている国内防衛産業を活性化するのが目的だそうです。

民間転用が期待されるのは、海自US-2、XP-1、空自XC-2だそうですが、短絡思考の民主党と無節操な防衛官僚と自衛隊高級幹部が結託した茶番劇です。

そもそも自衛隊の装備調達は、制服組のオネダリに問題があります。

調達システムは無責任であり、ほとんどの装備は毎年少しずつしか調達されず、当然少量ですから単価が上がることになります。単価が上がれば、調達数も減ることになり、完全な悪循環に陥っているのです。

一つの調達品(武器)の調達に10年、20年という時間がかかり、調達が完了するまでに、初期に調達したものは耐用年数が過ぎて用途廃止になることさえあるのです。民主党得意のダムや空港で例えれば、完成前に建設計画を破棄するようなものです。

これら民間転用が期待される航空機ですが、US-2は「絶滅危惧種」の保護、XP-1、XC-2は国産信仰という宗教が生んだあだ花です。

US-2は離島などからの急患輸送などで活躍していますが、救難用飛行艇を開発・運用している海軍は、世界中でも我が海自のみです。

調達価格120億円。開発費789億円。20機の調達が見込まれ、開発費を含めると1機当たり約160億円となります。

しかし、現実には複合材などを多用し、機体寿命が延び、調達は隔年で行われるそうで、10機で調達が打ち切られる可能性があります。10機での調達価格は1機当たり200億円となってしまいます。

XP-1は現用のP-3Cオライオンの後継として計画された次世代哨戒機ですが、川崎重工がライセンス生産したP-3Cは米国のP-3Cに比べ製造時期が新しく、部隊削減などにより飛んでいない機体も多く、予算不足からパーツを取り外して流用しているという現状です。

充分な寿命が残ったままであるため、ローッキード・マーチンはP-3Cの近代化改修を提案しましたが、一顧だにせず国産機開発を選択しました。

空自の次期輸送機と並行開発し、一部のシステムを共有化することでコストを削減するとされましたが、並行開発には無理があり、調達も同時に行われない状態も考えられ、生産レートは下がり、調達コストは上がるという皮肉な結果になるでしょう。

XP-1は4発のエンジンを搭載した機体を選択しましたが、エンジンは石川島播磨重工(IHI)がXP-1用に開発したものを使いました。

4発にこだわったのは、故障や攻撃によりエンジンが3基停止しても飛行が可能で、生存性が高くなりますが、そのためにわざわざ高価なエンジンを国産するというのは贅沢の極みです。

開発当初、4発機開発に難色を示す当時の石破防衛庁長官に、海自幹部は「エンジンが4発なのはパイロットの安心感のため。パイロットの気持ちがわかりませんか」と熱く説得したそうですが、XC-2はエンジン2発ですから、空自はパイロットの安心感など全く考慮していないようです。

自分が所属した世界ですが、自衛隊の装備品調達は子供のオネダリと同じなのです。

こうした問題点を洗い出しもせず、完成品を売ってコストを下げようなどとは、お笑い種です。

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