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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :05/03/16:59

04202100 本末転倒

小野寺防衛相が陸自関東補給処(霞ヶ浦駐屯地)を視察し、離島防衛強化のために導入する水陸両用車(AAV7)の試験車両に試乗しました。

「かなり性能が良い。(導入時期を)少しでも前倒しできるようにしたい」と語りました。






個人的にAAV7導入には納得していません。

尖閣諸島危機に政府/防衛省/自衛隊は、陸自に海兵隊機能を持たせようとしています。

一部では歓迎していますが、専守防衛を至上命題とする自衛隊にとって、島嶼奪回(逆上陸作戦:強襲揚陸)の概念は全くありません。

自衛隊は尖閣危機で未体験ゾーンに足を踏み入れたのです。

自衛隊にとっては研究すらしてはならない強襲揚陸作戦を想定しているのですから、誰がどう考えても〝無理〟なのがわかります。LCU(汎用上陸用舟艇)、LCM(上陸用舟艇)はゼロ。輸送艦、LCAC、AAV7だけで強襲揚陸戦をしようというのです。

それだけではありません。AAV7は開発から40年という老兵。乗り心地は良くても、防衛相が試乗したのは増加装甲無し。7.62mm弾には対応出来ますが、12.7mm徹甲弾以上になると対応出来なくなります。

米国ではP900増加装甲を追加しましたが、後にイスラエル製のEAAKに変更しています。

AAV7は水陸両用戦の救世主ではなく、水陸両用のAPC(装甲兵員輸送車)なのです。

問題はまだあります。

AAV7は島嶼奪回作戦に投入されるもので、敵に占領された離島を逆上陸により奪回するものですが、これは大変に困難であり、多くの犠牲を出すことになります。

まず島嶼防衛のための装備の拡充、制海空権の確保も検討せず蛙飛びした戦術を自衛隊は採用したのです。

海自はステルス性を有する艦艇がメジャーになりつつあるというのに何故か未だにこれまでのまま。空自はいつ来るともしれないF-35を指をくわえて待っています。おまけに30年選手のF-15、骨董市に並ぶF-4をまだ使い続けているのですから、これで真面目に島嶼防衛をしようとしているのかさえ疑問を感じます。

「愚者は過去を語り、賢者は現在を語り、狂者は未来を語る」とはナポレオンの言葉だそうですが、私はどう贔屓目に見ても政府/防衛省/自衛隊は未来を語っているようにしか見えません。

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