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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :11/28/09:47

03171144 曖昧では済まされないこと

「曖昧」という言葉を調べると、関連語としていかがわしい、恐らく、若干、多分、生半可、優柔不断、有耶無耶、お茶を濁す、杜撰、だらしない、丼勘定…たくさんの言葉が出てきます。

『讀賣新聞』一面に大きく「北、来月ミサイル発射」と書かれていますが、ネット上ではほとんど注目されていません。

間違いなく、私が北朝鮮のミサイルの話をしても皆さんの興味を引くことはないでしょう。






これを批判するつもりは毛頭ありませんが、これは日本人気質の表れだと思います。

危機管理が出来ない日本人といわれて久しいですが、東日本大震災・巨大津波・原発事故を経験してもなお、連綿と続く日本人気質です。

北朝鮮はこれまでに1998年8月にテポドン1号の発射実験、2006年7月にスカッド、ノドン、テポドン2号の発射実験、2009年4月に弾道ミサイル(北はロケットと主張)発射実験です。

09年の発射には、弾道ミサイル等に対する破壊命令措置の実施に関する自衛隊行動命令が発令され、航空自衛隊のペトリオットが緊急展開しました。

さすがにこの時ばかりは、日本人もかなり緊張させられましたが、今回の予告にはまったくと言っていいほど反応がありません。

大騒ぎすべきとか、放射性物質の影響を煽るのと同じようなつもりではありませんが、余にも無作為であり無神経過ぎる様に私は感じています。

東日本大震災では「善意」が横行しました。

千葉県でコスモ石油の火災では「有害物質を含んだ雨が降る」、原発事故では〝ヨウ素剤〟の服用という浅薄な知識から「うがい薬を薄めて飲む」などといったデマが横行しました。

発信者は「善意」だったのでしょうが、目の前に迫り来る危機に反応したのだと私は善意に解釈してあげようと思います。

しかし、目の前に迫り来なければ「危機感」を持てないというのは、生き物として欠陥があるのではないでしょうか。

危機意識は生存本能から生まれるもので、危機意識の欠如は生存本能が希薄か無いということになります。

皆さんの目の前に、拳銃を持った警察官、小銃を持った自衛官、拳銃を持ったヤクザが現れました。

この三人の中で、皆さんが脅威を感じるのは誰でしょうか。

当然、拳銃を持ったヤクザでしょう。

警察官・自衛官は法律により武器の携帯が認められており、その使用も法律により規制されています。そして、警察官・自衛官は法律に従うという前提があって、私たちは彼らの存在を脅威とは感じません。

しかし、ヤクザは銃器の携帯は違法であり、彼らは法律に従うことはなく、自分たちの論理が優先します。

それらを理解しているから、私たちは拳銃を持ったヤクザに脅威を感じるのです。

北朝鮮はまさに、この拳銃を持ったヤクザそのものなのです。

これまでのミサイル発射実験では、日本に被害が及ぶような事態とはなりませんでしたが、それは〝偶然〟のことです。

そもそも、ロケット(ミサイルでも構造は同じ)がトラブルを起こし、他国や隣国に被害が及ぶのを避けるために、まともな神経があれば飛翔するコースは海上だけにするはずです。わざわざ日本を横断させるのは、その存在を誇示したいだけで、日本政府と国民に対し威嚇をしているのです。

仮にロケットが失敗し、日本の領土内に落下し、日本国民に被害が出ても、不可抗力として処理が可能です。

ですから、ミサイル実験でも有りもしない「人工衛星」打ち上げなどと言い張り、ご丁寧に発射する期間を通告しているのです。

そこに、日本人の「前回は何も起きなかったから…」と曖昧な判断を下してしまう気質が影響して、今回の北の暴挙に無反応なのだと思います。

多分、恐らくという曖昧な判断をして無反応なのです。

事が起きてからでは遅いのです。

冷静に分析し判断し、その上での行動であれば私はそれを批判しませんが、曖昧なだけで全てを見極めた気になって行動するのは愚の骨頂というものだということをわかっていただきたいと思います。

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