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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :11/26/08:50

10250800 幽霊の正体見たり枯れ尾花

1900年代初頭、時計の文字盤や計器類の夜間可視化を可能にする「夜光塗料」が開発されました。30代より上の方はご存知だと思います。現在は「蓄光物質」を使ったものが取って代わっています。

この夜光塗料ですが、自発光物質であるラジウム化合物やプロメチウム化合物が使用されていました。共に放射性物質です。

子供の頃、福島第一原発に見学に行き、夜行時計を設置されているガイガー・カウンター(ガイガー・ミュラー計数管)に近づけるとガリガリと音がしました。

現在ではすっかり忘れ去られていますが、ガラスにトリウムなどを混ぜて研磨したカメラのレンズが多数あり、ガイガー・カウンターに近づけて「ガリガリ」と音がするのが高級カメラのような価値判断もされていました。






東京都世田谷区の住宅街で、周辺よりも高い放射線量が検出され、この放射線は近くの無人の民家の床下に置かれたビンが原因だったことがわかりました。

このビンの中には、夜光塗料や放射線源として医療分野に使用された「ラジウム」であったことがわかりました。

一時は、放射線恐怖を煽るメディアなどでは、「それ見たことか」といった報道も多く見られました。

この民家に隣接する道路が小学生などの通学路であったこともあり、声を大きくして訴えたラジオのパーソナリティもいました。しかし、ビンに詰められたラジウムが線源であることがわかると、「それ見たことか」の勢いはどこへやら。騒いだのを完全に無視して終わりにしました。

誰も口にはしませんが、過剰反応だったのではないでしょうか。メディアは騒ぎ立て、世田谷区では通行しても人体に影響は無いとしながら、周辺を立ち入り禁止にしました。

住民の不安を抑えるのが目的だったのでしょうが、自治体などがこうした反応をすることは逆効果になりかねません。健康に問題が無いのであれば、子供達にその事実を伝え、どうすべきかを共に考えるべきだったのではないでしょうか。

子供の使い捨てライターによる火災が頻発し、先月から従来の形式のライターは販売禁止になったのをご存知の方が多いと思いますが、これもまた、過敏な反応が招いた間違った対応だと私は思います。

私の子供の頃はライターではなくマッチでしたが、マッチは親が厳重に管理し、仮に火遊びをしたら親に厳しく叱られました.。マッチで悪戯して親にひどく叱られた経験がある方もいらしゃることでしょう。

あの時代、子供の火遊びを防ごうと、マッチが販売禁止になりました?

原発事故で各地に拡散した放射性物質のモニタリングは重要です。

楽観し過ぎるのは問題ですが、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ではありませんが、必要以上に恐れるのは、ストレスとなり放射線による被曝による健康被害よりも重大な結果となる可能性が高くなります。一時、風評被害を各界で戒める動きがありましたが、また同じ状況に陥りかねません。

島国の日本は、伝染病など「不安要素」に過剰に反応する国民性があります。

新型インフルエンザが日本に広まりを見せた時、マスクは店頭から消え、防護服が売れたという事態まで招きました。

こうした精神風土を利用するかのように、医療関係者が放射線の人体への影響について語っても「嘘」と決め付けられ、専門外の科学者が放射線の人体への影響について語り、今では救世主のような扱いを受けています。

新鮮な魚を見分けるのに、魚屋さんではなくお寿司屋さんに聞くのはかまいませんが、新鮮な魚の見分け方をパン屋さんや豆腐屋さんに聞いているようなものです。

そのお店の人が、釣りや料理が趣味で新鮮な魚の見分け方をたまたま知っているかもしれませんが、冷静な判断ができれば魚屋さんに尋ねるべきでしょう。

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