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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :11/25/05:46

12111546 喉もと過ぎても熱さを忘れるな!

東日本大震災から9ヶ月、275日が経過しました。

被災されたみなさんは、大きな痛手から立ち直ることなく厳しい状況が続いています。この現実を前に、被災地以外に住む私も含めて「過去の出来事」と認識しはじめているのではないでしょうか。

精神医学的には、トラウマとなる事象の前後の記憶を想起するのを回避したり、忘れようとする作用が働きます。ですから、「過去の出来事」として忘却することは悪いことではありませんが、「災害は忘れたころにやってくる」のですから、忘却が進めば次の災害に見舞われるのは早まるかもしれません。






3月11日14時46分18秒、宮城県牡鹿半島の東南東沖130kmの海底を震源として、マグニチュード9.0の地震が発生しました。

気象庁は、当初マグニチュード7.9という推定に基づき、揺れがまだおさまっていない14時49分、岩手・宮城・福島沿岸部に大津波警報を発令。予想される津波の高さを宮城県6m、岩手県と福島県で3mと発表されました。

しかし、実際の津波の高さはこれを大きく上回りましたが、通常では地震発生15分後に算出される数値より前に警報が発せられたためで、沖合いに設置されたGPS波浪計で高い津波が観測され、15時14分、15時30分に到達する津波の規模が大きいとされました。15時30分には岩手県から千葉県外房まで10m以上の津波の予測が出されました。

宮城県気仙沼市幸町、気仙沼湾と大川に挟まれ、魚市場から約400m、大川の河口から約2km付近で積み重なった瓦礫の下から100台以上の車が発見されました。

避難しようとした車が内陸部に繋がる市道に殺到し、渋滞となり身動きできなくなっていた車の列に大津波が襲い多くの人たちが車内で犠牲になりました。

気仙沼市本吉町津谷では海が見えない場所であり山間の集落に大津波が襲いました。

海岸線まで直線で約3km、誰もがここまで津波が来ると予測できたでしょう。

津谷川を遡った津波は、海岸線から最大で約4km以上進んだと見られています。

海岸線から3~4kmの山間の地区にまで津波が押し寄せたことを「油断」とするのは簡単です。しかし、これほど巨大な津波が襲来すると誰が予測できたでしょう。

これだけの被害を出しながら、私をはじめとして被災地とならなかった地域に住む私たちは、今回の地震で教訓を得たのでしょうか。

「自助・共助・公助」「サバイバル」、震災後あちこちから漏れ出た言葉ですが、本当に災害に直面した場合、これだけで私たちは生き延びることができるのでしょうか。

精神医学上では忘れることは必要なことですが、時には〝あの時〟のことを思い出す必要があるのではないでしょうか。

関東から東に住む巨大地震の揺れを体験した時、私たちは「日本沈没」「関東大震災」「この世の終わり」という言葉が浮びませんでしたか。

喉もと過ぎれば熱さを忘れてはならないのではないでしょうか。

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