憂い next ver.
新・元自衛官の憂い
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05230800 | 今そこにある危機 ~中国漁船拿捕事件~ |
中国領海内の黄海で、中国漁船3隻が北朝鮮の武装船に拿捕された事件は中朝関係を物語る「事実」があるのではないでしょうか。
ニュースなどを一読すると、北朝鮮に「海賊」が出てきたかのようですが、私の知る限りでは、中国に北朝鮮がこうした行為をはたらくことは尋常ではなく、端に「海賊行為」で済まされるものではありません。
2000年代初頭、韓国内では北朝鮮が不安定になると、中国が軍事介入する可能性が高いと分析されていました。
根拠となったのは、中朝友好協力相互援助条約とされていました。
この条約では、第2条に「いずれか一方の締約国がいずれかの国又は同盟国家群から武力攻撃を受けて,それによって戦争状態に陥つたときは他方の締約国は,直ちに全力をあげて軍事上その他の援助を与える」という参戦条項があります。
この条項を拡大解釈し、中国は北朝鮮の不安定化に介入してくるものと分析されたのです。
2003年には、北朝鮮の核開発再開後には中国軍の瀋陽・済南両軍区の兵力を動員し、北朝鮮の有事を想定した訓練を始め、この分析を裏付けることとなりました。
しかし、北朝鮮の国力は衰退する一方で、北朝鮮は中国と関係が宗主国と従属国という関係になり、北朝鮮は中国を北朝鮮の独裁体制に挑戦する「侵略国」と看做すようになり、中国も北朝鮮を一度は懲らしめるべき「ならず者国家」と見るようになったのではないでしょうか。
我々が思うほど、中朝関係は蜜月ではなく、いつ破綻しても不思議ではない関係ではないでしょうか。
その裏づけとして、今回の海賊行為を見るべきではないでしょうか。
それに、韓国や米国に対し食糧支援を求めるのは、中国を絶対的に信用しているという関係ではないと見るべきではないでしょうか。
中国はそれでもなお北朝鮮から離れようとしないのか。
それは、北朝鮮が中国にとり対米・対露・対日カードとして有効に活用できるためで、北朝鮮にとってもそうした背景があることを熟知しているからこそ付かず離れずの関係を維持しているのではないでしょうか。
北朝鮮は地政学的・戦略的価値があります。
北朝鮮に影響力、将来的に属国とすることは、中国にとっての東アジア覇権を掌握するためであり、将来的起こるであろう米国との直接対決にも備えるための地域です。
仮に中国が北朝鮮を完全に属国化すれば、ロシア極東地域への圧力ともなり、日本海は中国の海となり日本は今以上の中国海軍の脅威に晒されることになります。
北朝鮮を武力で掌握することは中国にとってたやすいことですが、それは国際的非難を浴びるのは明白であり、国際的な軍事行動を呼ぶ可能性さえあります。
そうであるならば、暴れん坊を機嫌をとってなだめながら、北朝鮮自らが中国の懐に飛び込んでくる方を待つでしょう。そうなれば、どの国も中国を非難はできなくなります。
それに、北朝鮮をカードとして対米・対日関係に使える時間が長くなります。
衰弱して死を待つ北朝鮮の頭上を乱舞するハゲタカ中国。これが、中朝関係の実態ではないでしょうか。
今回の事件は、中国は我々が思っているほど北朝鮮への影響力はなく、北朝鮮も中国の教育的指導など聞く耳を持たないという事実が生んだと私は考えています。
であるならば、日本は北朝鮮外交について、中国に何らかの期待感を持って展開させることは無意味であり、北朝鮮がその気になれば、どんな事でも仕掛けてくるということになります。
ニュースなどを一読すると、北朝鮮に「海賊」が出てきたかのようですが、私の知る限りでは、中国に北朝鮮がこうした行為をはたらくことは尋常ではなく、端に「海賊行為」で済まされるものではありません。
2000年代初頭、韓国内では北朝鮮が不安定になると、中国が軍事介入する可能性が高いと分析されていました。
根拠となったのは、中朝友好協力相互援助条約とされていました。
この条約では、第2条に「いずれか一方の締約国がいずれかの国又は同盟国家群から武力攻撃を受けて,それによって戦争状態に陥つたときは他方の締約国は,直ちに全力をあげて軍事上その他の援助を与える」という参戦条項があります。
この条項を拡大解釈し、中国は北朝鮮の不安定化に介入してくるものと分析されたのです。
2003年には、北朝鮮の核開発再開後には中国軍の瀋陽・済南両軍区の兵力を動員し、北朝鮮の有事を想定した訓練を始め、この分析を裏付けることとなりました。
しかし、北朝鮮の国力は衰退する一方で、北朝鮮は中国と関係が宗主国と従属国という関係になり、北朝鮮は中国を北朝鮮の独裁体制に挑戦する「侵略国」と看做すようになり、中国も北朝鮮を一度は懲らしめるべき「ならず者国家」と見るようになったのではないでしょうか。
我々が思うほど、中朝関係は蜜月ではなく、いつ破綻しても不思議ではない関係ではないでしょうか。
その裏づけとして、今回の海賊行為を見るべきではないでしょうか。
それに、韓国や米国に対し食糧支援を求めるのは、中国を絶対的に信用しているという関係ではないと見るべきではないでしょうか。
中国はそれでもなお北朝鮮から離れようとしないのか。
それは、北朝鮮が中国にとり対米・対露・対日カードとして有効に活用できるためで、北朝鮮にとってもそうした背景があることを熟知しているからこそ付かず離れずの関係を維持しているのではないでしょうか。
北朝鮮は地政学的・戦略的価値があります。
北朝鮮に影響力、将来的に属国とすることは、中国にとっての東アジア覇権を掌握するためであり、将来的起こるであろう米国との直接対決にも備えるための地域です。
仮に中国が北朝鮮を完全に属国化すれば、ロシア極東地域への圧力ともなり、日本海は中国の海となり日本は今以上の中国海軍の脅威に晒されることになります。
北朝鮮を武力で掌握することは中国にとってたやすいことですが、それは国際的非難を浴びるのは明白であり、国際的な軍事行動を呼ぶ可能性さえあります。
そうであるならば、暴れん坊を機嫌をとってなだめながら、北朝鮮自らが中国の懐に飛び込んでくる方を待つでしょう。そうなれば、どの国も中国を非難はできなくなります。
それに、北朝鮮をカードとして対米・対日関係に使える時間が長くなります。
衰弱して死を待つ北朝鮮の頭上を乱舞するハゲタカ中国。これが、中朝関係の実態ではないでしょうか。
今回の事件は、中国は我々が思っているほど北朝鮮への影響力はなく、北朝鮮も中国の教育的指導など聞く耳を持たないという事実が生んだと私は考えています。
であるならば、日本は北朝鮮外交について、中国に何らかの期待感を持って展開させることは無意味であり、北朝鮮がその気になれば、どんな事でも仕掛けてくるということになります。
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