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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :05/09/08:23

07290800 下手の道具調べ

「弘法は筆を択ばす」と言いますが、本当の名人はどんな道具でも立派に使いこなすという意味です。






政府が年末に出す新たな「防衛計画の大綱」(防衛大綱)の策定に向けた「防衛力の在り方検討に関する中間報告」の概要が明らかになりました。

○警戒監視能力の強化
 高高度滞空型無人機の導入等を検討
○島嶼部に対する攻撃への対応
 機動展開能力や水陸両用機能(海兵隊機能)を確保
 部隊配備、民間輸送力の活用、水陸両用部隊の強化
○弾道ミサイル攻撃及びゲリラ・特殊部隊への対応
 弾道ミサイル対処態勢の総合的な向上による抑止・対処能力の強化、総合的な対応能力を充実
 原発等の重要施設防護能力の整備
○サイバー攻撃への対応
 米国等や民間企業との連携・協力の強化
 専門家の育成や必要な機材の整備
○大規模災害時等への対応 
 部隊が大規模・迅速に展開できる輸送力を確保
○統合の強化
○情報機能の強化
○宇宙空間の利用の推進
となっています。

心許ないです。

自衛隊を崇拝する方からお叱りを受けるでしょうが、心許ないを通り越して〝マジかよ〟と呟いてしまうほどです。

防衛計画の大綱とは、日本における安全保障政策の基本的指針を示すもので、「概ね10年後までを念頭に置き」中長期的な視点で…というのがコンセプトです。

警戒監視能力の強化は、南西諸島方面で行動が活発化し威嚇的な行動にまで出ている中国の圧力を意識したものであることは言うまでもありません。

島嶼部に対する攻撃への対応:中国
弾道ミサイル攻撃及びゲリラ・特殊部隊への対応:北朝鮮
サイバー攻撃への対応:中国・北朝鮮・韓国
と推測できますが、「概ね10年後まで」中国との武力衝突は起きないと保証できるのか、北朝鮮がミサイルを日本に向けて発射しないと保証できるのか、何をしでかすかわからない韓国は「概ね10年後」まで何もしないのか、これで安泰などと言うのは詐欺であり、中国・北朝鮮・韓国の回し者としか言い様がありません。

私が注目するのは、水陸両用戦能力、海兵隊機能を持つ部隊を作ることです。

ただ、水陸両用戦能力といっても、自衛隊全体、陸自の大部分、海自の一部、空自の一部に能力を持たせるか、西部普通科連隊だけに両用戦能力を持たせるのか見極める必要があります。

メディアは不勉強ですから、西部方面普通化連隊だけを取り上げていますが、水陸両用戦は海+空+陸の戦力を併用するため、西部方面普通科連隊だけでは水陸両用戦能力を持たせるとは言えません。

個人的に自衛隊に水陸両用戦能力を持たせるのは反対ではありません。

戦後、米国にあやかり、自前の戦略・戦術を持たず、政治・外交は完全に米国あやかり商法状態。これを脱却するための方策の一部としては、両用戦能力を自衛隊に持たせることに反対はしません。

しかし、現実はというと両用戦能力どころか統合運用もままならない状態で、大綱が達成されると思われる時まで中国の侵略は待っていてくれるのでしょうか。

現状で仮に中国が尖閣諸島等の南西諸島方面に武力行使した場合、米海兵隊が先鋒として投入するしか対処策が無いのです。

ただ、米海兵隊が先鋒として派遣されるには、米連邦議会・米国世論はどう反応するでしょうか。

落ち目の三度笠の日本とはいえ、経済的にも技術的にも世界をリードする国家が、島嶼に侵攻されたからとわざわざ米海兵隊を先鋒としてい投入することに異論が出ないわけがありません。

中国が侵攻する前に、中国のプロパガンダが米国で嵐の如く吹きすさぶでしょう。『日本は自国を守るために米国の若者を犠牲にしようとしている』など想像に難くありません。

世界は米国のあやかり商法で日本がここまで来たのを承知しています。『米国の若者を犠牲に…』などと米国世論が沸騰すれば、世界はやらずぼったくりに出たと思われるのが関の山です。

尖閣では金満国家の横暴、竹島は文化依存症候群の国家に違法に占拠されたまま、自分で解決もしないで他国の若者の血を流させようなどと思われたら最後、日本は第二次世界大戦のように世界中を敵に回すことになるでしょう。

米国を使ったあやかり商法で、日本は国家としての尊厳を完全に失い、国民は外交難民となりました。

核戦争の危機が迫る中、非武装中立などとリアリティの追求が政治・外交の鉄則であるのに対し、非武装中立なととファンタジーにのめり込む国民まで現れました。

常識的な判断をすれば、島嶼国家である日本が両用戦能力を持っていなかったこと自体不思議な話です。

両用戦部隊を創設するにしても、メディアが伝える通り陸自西部方面普通科連隊に両用戦能力を付与する陸自に設置するのか、海自に設置し「海軍陸戦隊」もしくは「海軍歩兵」とするのか、独立した海兵隊を設置するのかという問題点が浮かんできます。規模をどの程度見込んでいるのかなど問題は山積しています。

部隊の規模に合わせて海自に水陸両用戦隊の編成も必要になります。

防衛大綱は10年のスパンで検討されるものですが、海兵隊(機能)を日本が手にするには10年という枠に収まることはあり得ません。

更に部隊の装備体系はどうするのか。

海兵機能を持たせるには、陸上戦闘部隊、航空戦闘部隊、兵站戦闘部隊、司令部等を編成することになり、時間だけでなくカネも必要になります。

GDP比率1%という枠を設けられている自衛隊に、海兵隊など創設できることははっきり言って無理です。

海兵隊を安倍カラーなどと持て囃していますが、私から見ると実現させる気など無い大法螺であり、安倍得意の勇ましい進軍ラッパを吹いているだけにしか見えません。

危機が迫っているにもかかわらず、こんな暢気なことでいいのでしょうか?

下手な奴ほど道具に注文を付けたがる下手の道具調べ、これが安倍カラーであり日本の現実です。

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