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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :11/25/06:35

11150800 広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スヘシ

TPP交渉参加を表明した野田ドジョウ宰相ですが、余にも安直な交渉参加表明は、正心誠意よりも五箇条の御誓文を学ぶべきと老婆心ながらアドバイスさせていただきたくなりました。

五箇条の御誓文とは、明治元年(慶応4年、1868年)3月14日、明治天皇が公卿や諸侯などに示した明治新政府の基本方針です。

一 広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スヘシ
一 上下心ヲ一ニシテ盛ニ経綸ヲ行フヘシ
一 官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス
一 旧来ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ
一 智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ





経済の専門家ではない私ですから、経済問題を論ずることは避けますが、TPPとは幅広い分野で規制や慣行の改変や撤廃を求めるものです。

例えば、米国産牛肉検査が無検査となったり、農産物の残留農薬の基準値が緩くされ、遺伝子組み換え食品の表示基準撤廃など、これまで守られてきた日本の食の安全が完全に崩壊することも考えられるのです。

農産物だけではありません。

医療機関は自分で診察料を決められるようになったり、営利企業が病院を経営し過度なコストダウンなどから医療の質の低下なども起こることが予想されます。

関税の撤廃は国産農産物は安い輸入産物と競争することになり、国内農家は大きな打撃を受けることは明らかです。

これは、TPPに参加した場合考えられる問題の一部です。

TPP交渉に参加を表明というわけのわからない展開は、民主党らしいといってしまえばそれまでですが、あまりにも杜撰なやり口にはさすがに辟易とさせられます。

菅政権時代、民主党はTPPの検討を打ち出しましたが、交渉参加には「農業再生」を前提としていました。

東日本大震災により、多くの被災した農家は、農業再生どころか原状回復の目処すら立っていないにもかかわらず、「農業再生」の前提条件が崩壊しているというのに、TPP交渉参加を表明した根拠はどこにあるのでしょうか。

被災地の農家がTPPにより農業から離れることになれば、被災地の農業はどうなるのでしょう。ドジョウ宰相の決断は、震災からの復興の妨げでしかなく、震災からの復興を最優先課題にしているドジョウ宰相のやり口はあり得ません。

TPPは、関税の即時撤廃だけでなく、金融、投資、労働、衛生、政府調達などの幅広い分野で規制や慣行の改変や撤廃を求めているもので、新自由主義の典型的な協定です。

ミルトン・フリードマンは「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」と主張しています。ショック・ドクトリンです。

未曾有の国難とされた東日本大震災を利用し、変革を行うという目論みは、復旧・復興を妨げるだけでなく、この国を崩壊させる一歩となるのは説明するまでもありません。

いかなるものであっても、議論を尽くして先に進めるべきだと思うのは私だけでしょうか。

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