憂い　next ver.

イラク戦争は、米英により「大量破壊兵器の保有を過去公言し、かつ現在もその保有の可能性が世界の安全保障環境を脅かしている」との理由で米英による空爆から始まりました。

後に、この情報は捏造されたもので、イラクは捏造された情報で崩壊したことがわかりました。

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ウクライナにロシアが軍事介入する様子を見せ、欧米からの非難と制裁まで踏み切るようですが、日本はロシアとの関係から強い非難をせず、欧米は日本を〝ロシアに甘い！〟と批判されています。

ウクライナは東にロシア、西にポーランド、ハンガリー、南は黒海を挟んでトルコと囲まれています。

東側はロシア、西側はヨーロッパに接するという地政学的に紛争に巻き込まれやすい、紛争が起こりやすい地域なのです。

歴史的にもウクライナは度々戦場となったことからもわかります。

ウクライナはソ連時代はソ連の一部であり、ソ連の崩壊で独立しました。しかし、ロシアとの関係は深く、政権は親ロシアの姿勢でした。

2004年オレンジ革命の影響で親米・親ヨーロッパ政権がウクライナに誕生します。これがユシチェンコ政権です。

ウクライナに提供していたロシアの天然ガスを、ユシチェンコ政権の誕生で価格をヨーロッパに提供する価格にしウクライナはこれに反発しました。

ロシアはこれにガスの提供を止めます。

この反発としてウクライナに親ロシアのヤヌコビッチ政権が誕生しました。ヤヌコビッチ氏は、ウクライナ東部（ロシア寄りの地域）出身で、ロシア語は堪能でもウクライナ語がうまく話せないなど、親露派住民の多い東部を象徴するかのような存在でした。

ロシア流のやり口に、西部の住民から反感をかった上に、腐敗も噂され政権打倒に国民が立ち上がったとされています。

ウクライナ情勢にロシアの軍事介入を招いたのは、日本ではニュースにならない「民族対立」も背景にはあるのです。全人口の約2割がロシア人で、ウクライナ人が約8割、クリミア・タタール人、モルドヴァ人、ブルガリア人、ハンガリー人、ルーマニア人、ユダヤ人、高麗人まで住む多民族国家なのです。多民族国家は、当然のことながら紛争の火種はたくさんありますので、安直な平和解決は望めないのはことれまでの歴史が証明しています。

ウクライナ情勢をテレビ番組で取り上げ、大学の先生がロシアを強く非難しない日本の施政に、〝「主権侵害」を日本は受けて、ウクライナの状況をもっとも理解しているはずなのに･･･〟と日本政府の対応を批判していましたが、ウクライナを理解せず、表に出ている情報だけで日本政府の対応を批判するのは安直な思考から招いたもので、大学のセンセイのやることではありません。

欧米はロシアの今回の軍事介入に出る動きを非難しましたが、欧米の手は汚れていないとでも言うのでしょうか。

イラク戦争は、捏造された情報でイラクという国を崩壊させました。独裁者の君臨する国家、独裁者の犯罪行為があったとはいえ、イラク国民まで崩壊の辛酸を嘗めさせる権利は他国にはありません。

イラク戦争に加担した日本も、イラクでの戦争行為の責任を問われた当然責任を負わなければなりません。そして、ウクライナもまたイラク戦争に加担していました。

国際情勢は表面的事象のみを捉え、安易な非難や迎合はつつしむべきです。

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