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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :05/01/21:05

12090800 消えた高官 ~北朝鮮の現実~

金正日の側近といわれ、金正日の妹である金敬姫の夫である張成沢は、金正恩の後見人とされ金正恩体制の№2とされていました。

この張成沢が失脚したようです。






日本では、対中・対韓問題など国家間の紛争に直結する緊迫した事態に直面しています。

しかし、日本ではそのような気配すら報道されていません。そこへ、張成沢失脚のニュースは、今なお北朝鮮情勢は予断を許さない状況にあることを意味していますが、そうしたニュースはどこにも見当たりません。

北朝鮮が崩壊の可能性は低いと私は見ていますが、張成沢の失脚は新体制がいまだに安定しておらず、軍の暴走やクーデターなどの可能性があり、そうした騒擾状態となれば難民等の日本への流入、これまで批判ばかりしてきた韓国が難民流入で日本に支援を求めることも考えられ、軍が暴走した場合には「戦闘状態」になる可能性も秘めているのです。

混乱に乗じて漁夫の利を得ようとする国も現れることでしょうから、張成沢の失脚は近い将来何が起きるのかわからない状態にあると我々は認識すべきでしょう。

北朝鮮は崩壊するといわれ久しいですが、リビア、エジプトのように携帯電話やインターネットの普及で「平壌の春」が来ると期待する説を唱える人が出ています。

朝鮮半島は異民族の侵入、失政による混乱を生き抜いた経験を持ち、朝鮮民族の独自のネットワークは世界でも異質のもがあります。

朝鮮民族の情報伝達のスピードは尋常ではないということを、かつて某県警外事課の捜査員から聞いたことがあります。

北朝鮮の動きは、翌日には日本国内の北朝鮮関係者の耳に入っているというのです。こうした伝達力は今に始まったことではなく、かつては反日活動に結びつき、その対応に日本政府は悩まされました。

北朝鮮は食糧難が伝えられますが、これは「演出」の可能性があります。意図的に食糧難を演出し、国民を支配する武器として活用してきたと思われる節があります。

飢餓状態となれば国民は、「食べること」に執着したやがて頭の中は「食糧」への渇望に支配され政府がいかに理不尽であろうとも抵抗する気力を失わせます。

食糧で国民を追い込み、さらに精神的プレッシャーを加えます。

中国で行われた権力闘争に敗れたものを一族全員を虐殺する「族誅」というものが、今でも北朝鮮では行われています。

殷の時代に始まり、秦で拡張され清の時代まで中国では見られました。中国では古来から、「罪は九族に及ぶ」との考えがあり、親族に連帯責任を負わせることで犯罪抑止、遺族の遺恨を根こそぎ断つ目的がありました。

北朝鮮ではいまだにこれば存在し、連座制を広範に適用し村八分どころか、事件に直接関係しないものまで罪を追及されるのです。本人が死刑宣告されれば、本人の父母、祖父母、曽祖父母、子供、孫、曾孫、兄弟、兄弟の子供・孫にまで適用され処刑されてしまいます。

処刑は免れても釈放の望めない強制収容所送りにされ、一族の滅亡となるのです。家系を重んじる朝鮮半島文化にとって、これは最悪の事態です。

社会主義を標榜しながら、社会主義ではあり得ない世襲による支配を確立できたのは、こうした国民管理の手法があるのです。

1980年10月、朝鮮労働党第6回大会で金正日が金日成の後継であることが明らかにされました。これに合わせるように、教化・監視・恐怖による管理体制が確立されました。

「教化」とはわかりやすくいえば「洗脳」です。体制に従順なただの生き物に仕立て上げます。幼児期から始められ、指導者への感謝を刷り込まれます。

社会ではあらゆる手段を使って、金一族を他人が耳にしただけでも顔を赤くするように褒めちぎります。荒唐無稽な話でも当然のように流されます。

北朝鮮の指導者が瞬間移動したとか、指導者を慕う野鳥が地方視察に一緒に移動して平壌から姿を消したなど、笑ってしまうようなことも報道されます。

北朝鮮は一方的な教化だけでなく、「生活総和」と称する一日の反省会を国民に義務付け、個々人に対し教化する立場にあることも自覚させ、双方向性を持たせることまでしています。

国民の支配に長けた民族であり、その根本にあるのは中国で生み出されたものであること。つまり、現在でも中国の属国文化が朝鮮半島に残されているということを我々は理解しなければなりません。

北朝鮮による監視は、中国宋時代に生まれた保甲法とされています。政府によりいくつかの家を組合せ連帯責任を負わせ、民衆の把握、治安維持、租税徴収などを行わせたもので、一種の隣組制度です。

これに準じたシステムで相互監視を行わせます。

これが徹底されれば、訓練された諜報員でも潜入できなくなります。見かけない人間がいれば、即座に通報されます。通報を怠れば、罰せられることになります。知らない人間に水一杯も飲ませられないのです。カネや物でも釣れない、話すらできない状態になり、潜入は断念されることになります。

さらに、閉鎖社会に政治保衛部や社会安全部の監視要員を送り込み監視を徹底させます。

完全鎖国の実現です。

このように崩壊はしませんが、警戒しなければんらないのは、軍による暴走であり、それに付け込むであろう国の存在です。

こうした現実に目を向けず、暢気にしていられるのは何も考えていないからなのでしょうか。私たちは考えている以上に困難な事態に直面しているのではないでしょうか。それを、考えるのが今ではないでしょうか。

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