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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :11/24/18:10

12010800 東日本大震災災害派遣の裏側

震災から時間の経過と共に、あの時の想いが薄れかけていないでしょうか。

善いことだとは思いますが、〝言わザル〟の自衛隊からはあの時、メディアでは扱われない事実が漏れ出てくることはまれでしょう。

東日本大震災で自衛隊は死力を尽くした活動を行いました。

陸海空の三自衛隊が一丸となり災害派遣にあたりました。被災地で活動した隊員、後方支援に回った隊員、通常任務に就いた隊員、すべての隊員たちの思いは一つでした。「被災者のため、国のために役立ちたい」、それだけの思いで災害に立ち向かいました。

天災は神の御業です。それに立ち向かった隊員たちは、神に真っ向から立ち向かって行ったのです。





派遣人員は最大で107,000名、19,286名を救助、物資輸送10,700㌧、給水支援32,200㌧、給食支援4,240,000食というものでした。

10万人の動員は、軍事常識からいえばあり得ないものでした。

詳細は明らかにされていませんが、震災直後、被災地に向かった隊員たちは食事や寝る場所も満足に確保できていなかったはずです。

当初、2万人の派遣を命じられ計画を立てている最中に5万人の指示が出され、準備を急いでいると10万人だと命じられました。実際の任務から考えれば、まったく根拠の無い数字です。現地の実情などまったく考慮していない派遣命令だったのです。

国家の一大事とはいえ、10万人の動員は国防に大きな影響を与えるものでした。

自衛隊の災害派遣は救援と支援で、復旧は自治体の仕事で、これを支援するのが自衛隊の任務です。

政府は復旧作業は自衛隊がやると勘違いしていたようです。

その証拠に、6月一杯で災害派遣の統合任務部隊が解散直後、ハエの駆除を命じられ「防疫支援隊」が急遽編成されました。これなど、民間の専門業者のほうがノウハウがあり、自衛隊よりも迅速・確実に対応できたにもかかわらず、無理解から政府はこうのような愚にもつかない命令を出してしまったのです。

考えたくはありませんが、「民間業者はカネがかかるから、自衛隊ならタダで済む」などと政府や自治体が考えていたのではないでしょうか。

自衛隊は「便利屋」ではありません。

一川が安請け合いした東京電力福島第1原発から半径20キロ圏内にある自治体庁舎の除染作業に自衛隊を出すそうですが、これもまた民主党政権の頭の中には「自衛隊」=「便利屋」程度の認識しかないためでしょう。

菅直人前首相が「改めて法律を調べてみたら、『内閣総理大臣は自衛隊の最高の指揮監督権を有する』と規定されており…」などと、一川のようなことを言っていましたが、最高指揮権と自分の思うがままに動かすのとは次元の違う問題です。

いかに民主党政権が無責任であったか。原発へのヘリからの空中投下が、その典型です。

総理の命令であるにもかかわらず、正式な命令はまったく出されず統合幕僚長の判断ということで片付けられました。

一部では伝えられましたが、ヘリからの空中投下とともに地上からの高圧放水の準備が進められていました。どちらが効果的か説明するまでもありませんが、効果の低い空中投下を強行させました。なにせ総理の肝煎りですから、効果がなくてもやらなければならなかったのです。

菅直人は自分のパフォーマンスのために、自衛隊員の生命を危険にさらすだけでなく、効果的冷却を後回しにしたのです。

これが菅直人のやったことなのです。

そうしたことを誤魔化すように、原発対応に当たった隊員に日額4万円の手当を付けるようにしましたが、カネですべてを片付けようとするのは徳の低い人間の常套手段です。

菅直人が宮城県の被災地を視察した際、大型船が乗り上げているのをバックにインタビューを受ける予定で、放置されていた周囲の瓦礫の撤去命令が出されたそうです。2ヶ月も放置されていたのにです。

こうしたことが表に出ないだけでなく検証されないまま、事を先に進めようとしています。

これは、再び同様の災害が起きた場合、同じことが繰り返されることでしょう。

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