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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :11/28/13:48

03211200 有り難い御札ではない!

北のミサイル(北はロケットと言っていますが、構造は全く同じですので私はミサイルと呼称します)実験に、日本政府は09年と同じ対応をするようです。

マニュアル通りです!

マニュアルを否定はしませんが、マニュアルが存在する目的を無視してマニュアル通りの対応をするのは、あまりにも知恵が無さ過ぎと私は思います。

確かに物事には「ルール」は必要です。しかし、ルールとマニュアルは全く別の次元の存在であることを忘れてはならないと思います。

つまり「本質」をどう見極めるのかが大事なのではないでしょうか。






今回の北のミサイル発射に空自ペトリオットPAC-3と海自スタンダードミサイルSM-3でミサイルに何らかの異常により、日本の領土内に落下した場合を想定し、このような対応を採るのは理解出来ます。

逆説的に言えば、常日頃は先島諸島だけでなく日本列島はミサイルからの防衛体制が構築されておらず、今回のような「予告」が出された時にのみ防衛態勢を敷くということになります。

これで本当にいいのでしょうか。

こうした状況で、自衛隊を批判する人が出てきます。

イラク派遣では、派遣される自衛隊基地や駐屯地に押しかけ、「派遣反対!」と書かれたプラカードを掲げて声を張り上げていました。

でも、冷静に考えてみてください。

海外に派遣するのは自衛隊ではなく、日本政府の意向があるからなのです。

こうした反対運動をやる方は、自衛隊員に「命令違反」を要求しているのと同じで、国民の信託に基づいて国の統治・運営をする政府の指示・命令に背けと言っているのです。

これでは、自衛隊に武力によるクーデターや革命を求めるのと何ら変わりがありません。

北は巧妙です。

ロケットとミサイルが同じ構造であることから、ロケット(衛星打ち上げ)として事前に告知し、関係機関に事前連絡までしています。

それに対し、日本はこれ見よがしに対空ミサイルを持ち出して身構える。

この時点ですでに、日本は北に負けていると私は思います。

仮にロケットが事故等により落下し、日本がこれに対し対空ミサイルで破壊(破片は落ちてきます)しても、北の言い分は通ることになります。

衛星打ち上げを妨害した。主権の侵害。北朝鮮に対する重大な挑戦。などと北に因縁をつけさせる口実を与えることになります。

もっと問題なのは、PAC-3もSM-3も万能であるかのような宗教じみた考え方を、政府は国民に説明しないことです。

前述したように、ミサイルを破壊できても破片は落ちてきます。命中率もあり、60%程度あればかなりの命中率といえますが、残り40%は外れるのです。

さらに、弾頭まで破壊できるのかといえば、100%破壊出来ることはあり得ません。核弾頭や化学弾頭であれば処理が必要になります。

本質を見極めず、その本質を国民に伝えず、それが万全の備えであるかのように振舞うのは、日本政府はMDを神社仏閣の御札にしているだけです。

「打つなら全て撃墜する」くらいの気概を、北に見せつけ、日本はいかなる侵害に対しても立ち向かうことを北に見せなければ、北は同じことを繰り返すだけではないでしょうか。

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