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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :09/20/12:01

08070700 大いなる駄作か偉大なる傑作か

海自次期哨戒機P-1に強度試験でひび割れが見つかりました。

国産信仰という宗教的な思考が、また無駄なことをやらかした可能性が高まっています。




P-1について簡単にお話します。

P-1は空自C-1輸送機の後継機となるXC-2と同時開発されたものです。

高翼・双発の戦術輸送機と低翼・4発のジェット機という2機種同時開発という、世界初の挑戦に疑問府が付けられたまま開発が進められました。

開発賛成派は、「我が国航空産業界の実力を世界に示した」と諸手を挙げて喜んでいますが、形状の全く違う機体を同時開発するメリットはどこにあるというのか理解できません。

2機種同時開発は平行開発と呼ばれ、川崎重工を主契約会社とし他メーカーも巻き込んだ「オール・ジャパン」体制の一大プロジェクトとなりました。

「オール・ジャパン」とは響きのいい言葉ですが、私が説明するまでもなく、日本の航空機産業界は経験不足であり技術者も満足には揃っていません。

「オール・ジャパン」体制でも交代要員もなく、一大プロジェクトとは名ばかりのいつ看板が倒れても不思議のないプロジェクトがこの平行開発だったのです。

こうまで書くと、日本の航空機産業界をけなしているようですが、限られた人材のなか、ボーイング787の開発にも日本の航空機産業界から人材が引き抜かれ、一大プロジェクトは危機的状況からスタートしたのです。

暗雲たれ込めるスタートとなりましたが、なぜ平行開発にこだわったのか全くわかりません。

まず、日本のメーカーが平行開発の経験がない。平行開発で同時調達となるのは明らかで、同時調達となれば調達数が極端に少なくなり単価が上がり割高となります。

開発コストは下がるでしょうが、軍用品は開発して装備化されて完了ですので、この平行開発は装備化を無視していたのではという疑問が浮かびます。

自衛隊はハッキリ言って貧乏です。

防衛予算は年間約4兆7000億円。現在は世界6位(かつては世界2位)の予算は、世界一級の戦車、イージス艦、AWACS(空中早期警戒機)など最先端の装備品はありますが、しかし、途上国でさえ当たり前に持つ装備品はあまり多くはありません。

小銃は89式が現在の主力ですが、まだ完全更新は終わっていません。1989年に制式化された89式小銃は20年以上経過してもまだ終わってないのです。

XC-2のエンジン選定で収賄事件も起きましたが、こうした無駄な開発は、官僚や政治家にウマミはあっても、現場に大きな負担を強いるだけでなく、国防を食い物にしている可能性すら疑われます。

これが、自衛隊の装備品選定の実態なのです。

平行開発ではなく、C-Xの開発が終了しP-Xに切り替えるべきと、当時の防衛庁長官であった石破茂氏がただしましたが、平行開発が強行されました。

開発を切り替えれば、大型機が長期にわたり開発・生産が可能となり、開発に時間差ができれば人材育成もできメリットは少なくありません。

それでもなお、平行開発を強行した理由はどこにあるのでしょうか。

疑問はまだあります海自P-3Cは米海軍と比べ製造された時期が新しい上に、予算削減による部隊縮小などにより飛ばされていない機もあり、メーカーであるロッキード・マーティンからは近代化改修も提案されていたにもかかわらず開発が進める理由はどこにあったのでしょうか。

平行開発を強行したツケはC-Xでも多くの問題が明らかになりました。

P-1は、国産エンジン4発を搭載した機体で、調達は70機程度。

70機しか作らない機体のために、新規開発され、エンジンを国産開発するという贅沢の極みといった機なのです。米軍でさえ、このような贅沢は許されてはいません。

このような機が、果たして傑作機なのか駄作機なのか…懐を肥やすために、国防を利用することは国賊と呼ばずなんと呼べばいいのでしょうか。

最も大きな問題は、税金が浪費されているということです。それを政治家どころかマスコミも指摘しない。防衛省の兵器調達はやりたい放題状態なのです。

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