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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :09/18/11:02

04171000 元自衛官流 事業仕分け

田母神前航空幕僚長、第44普通科連隊長などで〝シビリアン・コントロール〟をあれこれ熱く論じる方を少なからず存在しますが、実は日本ではこの〝シビリアン・コントロール〟が健全に機能していないとは誰も語ってはいません。




空自が現在、F-X(次期主力戦闘機導入計画)でF-22を希望しましたが、アメリカがF-35を推薦しているようですが、ここでF-22もしくはF-35を何機必要とするか空自・防衛省は明らかにしていません。陸自の新型戦車でも同じようなことが発表されています。

防衛省によれば、『2010年に制式化し、単価は7億円で、〝生産期待数〟は約800輌である』と発表されました。

常識的な話をすれば、具体的に兵器が決まれば、それがいくつ必要なのか具体的数字が検討されます。装備する数量が決まれば、次にどれくらいの期間で装備化を進め、戦力化するかという計画が立てられます。そして、予算請求額が決められます。

国家戦略に基づき、それを基に戦術が検討され、その戦術が実行可能な兵器が調達されるのですから、装備化する兵器の数は簡単に出せるはずなのです。

常識的な国家では、この兵器数量と予算が議会の承認を受け、兵器メーカーと契約となります。

しかし、我が国は「何が欲しいか」だけが決められ、どれくらいの期間で装備化・戦力化するのか全く明らかにされていません。国防秘密と言ってしまえばそれまでですが、自衛隊は軍隊ではないらしいですが、軍人として持つべき小火器89式5.56㎜小銃が制式化から21年になろうとしていますが、陸自普通科などの戦闘部隊では64式小銃との更新はほぼ終了していますが、後方支援部隊や海自・空自では配備すら進んでいません。なぜか、海保SST(特殊警備隊)や警察SAT(特殊急襲部隊)に配備されているというのですから、愚作がハッキリと表れていると私は感じます。

これらを見ると、具体的な調達数は決められないまま調達が行われていると考えざるを得ません。

民主党政権で無駄をなくす(減らす?)として事業仕分けなるイベントを行いましたが、防衛予算はこれまでこうした具体的な数字が出されないまま、予算請求され国会を通過していたことになります。

空港やダムなどインチキであっても、計画の期間や予算が数字化され国会で承認を受けています。防衛予算はいわばどんぶり勘定で国会で承認を受けていることになります。

シビリアン・コントロールは人事と予算を掌握することが、その要諦です。

先述した田母神・44普連連隊長発言に対する処分は、当然の結果だといえます。しかし、予算に関しては全くシビリアン・コントロールが働いてはいません。

無計画な調達は毎年チビチビと買い込むため、単価は当然高くなります。単価が高くなれば、予算が限られているため、調達数は減ることになります。こうしたデフレスパイラルのような悪循環に陥り、89式小銃のように装備化は遅れに遅れ完了すら全く見えてきません。装備化が完了した頃には、最新式も旧式化しているという全く無駄な調達となってしまいます。

小銃を見ればわかりますが、日本では警察予備隊創設当初、アメリカから新品のM1カービンが貸与されましたが、64式小銃が採用された後も生き残っていました。空自ではM1と64の両方の教育が行われていたそうです。ブローニングM1918自動小銃やトンプソンM1短機関銃も64式小銃採用後に使われていました。もう、『コンバット』の世界です。

事業仕分けで、「制服や弾薬を輸入しろ!」などと素人が暴言を吐いていましたが、本当に無駄をなくしたいのなら、こうした曖昧な自衛隊の兵器購入制度を正すべきで、老婆心ながら言わせてもらえば、現状のままの調達が存続されれば、遠からず日本の防衛は破綻することになります。

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