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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :04/30/00:32

05120800 中国・ベトナムの衝突は対岸の火事ではない

中国の一方的な資源開発でベトナムと中国の公船が衝突。映像では、中国船がベトナム船に故意に衝突させたとしか見えません。









ベトナムは社会主義国で共産党による一党独裁。中国と隣接しているため、私たち日本人は、ベトナムは親中でありかつてベトナムを植民地としていたフランス、そしてインドシナ戦争、ベトナム戦争と戦死者100万人以上(推定)、行方不明60万人以上、民間人死者300万人という犠牲を出したアメリカに憎悪の感情が強いと思いがちです。

しかし、ベトナム共産党は「中国共産党とベトナム共産党を同じに見て欲しくない」と言い、ベトナム人の中には「もし日本が中国と戦争することになったら、日本に渡って共に戦う」とまで言う人もいます。

フランスやアメリカに対し、ベトナムは「恨まず、しかし忘れず」とベトナム戦争終結30年の時のスローガンですが、これがベトナムの人たちの思いのようです。

でも、なぜベトナムの人たちが中国をこうも強く敵視するのか。

それは、ベトナムと中国のこれまでの関係。そして、近年の中国のベトナムに対する高圧的な態度。そうしたものが対中感情となって表れているのだと思います。

ベトナムを漢字表記で「越」としていますが、これは中国清王朝と関係で使われたもので、ベトナムの人たちの思いを尊重しここでは使用をしません。

ベトナムと中国の領土問題が表面化する前、中国のベトナムの漁船を多数拿捕し、魚網は没収され、保釈金を要求していました。

年間で100隻を超えた年もあったようです。

こうした状態で領土問題、そして中国によるベトナムに対する威嚇と、同じ共産党でも「同じに見られたくない」というのは当然です。

ベトナム・中国の関係がやがて戦争になるかどうか、誰もが心配することです。

戦争にまで発展しないと見るべベトナム人識者もいますが、軍事的な見地から見ると、ベトナムは不敗の国です。

中国の懲罰行為と強弁した中国によるベトナム侵攻では、56万人という大軍を侵攻させながら、ベトナム軍は戦術でこれを撃退しました。

インドシナ戦争、ベトナム戦争はご存知の通りです。

現状はベトナム国民が、どこまで中国の傲慢な態度に我慢できるかということでしょう。

解決のチャンスはあります。

しかし、中国は自ら解決の窓口を閉ざしているのです。

尖閣諸島領有問題と同じく、ベトナムと中国の領有権問題は、ベトナムは主権の問題としているのに対し、中国は資源開発問題としているため解決は容易なはずですが、中国の切るカードは「引っ込んでろ!」ばかり。

これで外交問題を解決することは不可能です。

日本との尖閣諸島問題も同じです。

日本は当然、主権問題と捉えていますが、中国は資源問題と捉えているのですから解決策は自ずと違ってくるのですから解決は出来ません。

私はかつての日中戦争で、日本が中国にどう接してきたか、中国の主張する虐殺等が存在したか論じる気はありません。

しかし、日中間が戦争状態となる前に、中国人による日本人居留民に対す数々の虐殺や暴行事件を、中国が俎上に載せることなく一方的に日本非難を繰り返すのは、今回の中国船によるベトナム船衝突と同じです。

ベトナムは中国船に追われ、衝突する映像を流した上で非難していますが、中国は何ら映像すら公開せず一方的にベトナム船による衝突と反論しています。

このように、中国は言い逃れようとするなら何でもありです。

最後にベトナムの人の言葉をご紹介します。

日本人は、この言葉をどう受け止めるかでこれからの日中関係をどうすべきか考えなければならないでしょう。

「フランスやアメリカは侵略ですが、中国は全てを奪い尽くします。ベトナムは千年の間、中国からその苦汁を味わってきた」

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