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新・元自衛官の憂い
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| 05041507 | [PR] |
：05/04/15：07
：| 02031937 | ハリアー １ |
AV-8B ハリアーⅡ
〝ハリアー〟というと、話題になっている「TOYOTA」の車を思い浮かべられるでしょう。
当ブログを訪れていただける方は、「マクダネル・ダグラスAN-8BハリアーⅡ」といわれるでしょう。でも、私の世代は〝ホーカー・シドレー ハリアー〟となります。
初飛行は1960年。1974年8月から岩国基地に配備されているというベテランです。
ハリアーの初飛行は1960年10月21日のことでした。英国のホーカー・シドレー社により開発されました。
開発の発端となったのは、ブリストル・エアロ・エンジン（社）が、推力偏向型ジェット・エンジンBS53の開発計画を始めたのに合わせ、ホーカー・シドレー（社）がこのエンジンを搭載する機体となるP1127ケストレルの開発を始めたことに始まります。
1959年9月に運転試験に成功し、60年に英国政府より原型2機、開発型4機の発注が出されました。原型1号機は、懸垂状態でホバリングに成功し、、11月19日には自由ホバリングにも成功。61年5月12日には通常飛行に成功し、9月12日には完全なVTOL飛行を行いました。
61年には英国、米国、西独による作戦能力飛行試験が決まり、65年4月から実施されることになり、発展型エンジンを搭載したケストレル9機がNASAに送られYU-6Aの名称で評価試験を受けました。
ハリアーは胴体中央に推力偏向型ベクター・スラスト式ペガサス・ジェット・エンジン1基を搭載し、その上方に主翼を備えた機体で、胴体下面に自転車型主降着装置と両翼端に引っ込み式補助輪を備えています。ハリアーはエンジンノズルを4つ持ち、ノズルの向きを0度から98.5度まで変えることによりVTOLを可能としました。このノズルはわずかに前方に向くため、バックも可能です。ホバリングまたは低速時（通常の機体制御機構が働かなくなるため）の姿勢制御用に高圧空気を噴出するノズルも設けられています。
操縦方法は特異で、操縦訓練には回転翼機の操縦方法を並行して行っているようです。操縦はきわめて難しく、常に30個のボタン操作をしなければならず、操縦ミスにより死亡者を出し、戦闘での死亡者よりも多いという皮肉な状態です。
固定式装備はなく、胴体下面に3ヵ所、主翼下面左右に2ヵ所のハードポイントを持ち、カメラを装備した偵察ポッド、30㎜アデン砲（130発装填）ポッドを左右に各1個、主翼下面に460ℓ増槽、フェリー用1500ℓ増槽を搭載可能です。ほかに450㎏爆弾、ロケット弾ポッド、サイドワインダー空対空ミサイルを装備する方式が考えられていました。
ハリアーに興味を持った英国海軍は1969年に独自に艦載型の研究に着手しました。ハリアーの初期生産型GR.1を改造したGR.3（センサー類のかいぜんとペガサス・エンジンのアップグレードなど）をベースに最小限の改修で英海軍の戦闘・攻撃・偵察の要求に見合う機体研究が進められました。
75年5月には艦艇からの発進が可能な海軍型シー・ハリアーが34機発注されました。シー・ハリアーはブルーフォックス・レーダー搭載、機首とコックピットの位置変更（視界確保のため座席位置が40㎝上昇）などが行われました。
英空軍最初のハリアー部隊は、支援軍第1飛行隊で69年4月から配備が開始されました。
ハリアーの類稀な運動性などを証明したのはずっと後のことになりますが、財政危機を迎えた英国ハリアーを救済したのは、米海兵隊でした。
米海兵隊は、ヘリコプターの実用化以来、VTOL（垂直離着陸）機に強い関心を持っていました。
空母を持たない海兵隊は、太平洋戦線では陸戦部隊の援護のために航空部隊は、遠く離れた陸上基地から支援していました。そして、陸軍のような組織的火力を保有しない海兵隊は、空からの援護は重要なものとなっていました。頼りにしていた海軍機はジェット化が進み、近接航空支援は使いにくい状態となっていました。
米海兵隊は世界中に部隊を展開することを前提としており、基地数は限定されており、上陸侵攻後に滑走路の確保などの問題から、VTOL機は米海兵隊にとっては救世主のような存在だったのです。
米海兵隊は使用していたA-4スカイホークと比較し、ハリアーの要求が出されることになったのです。
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