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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :02/02/12:28

01072013 核拡散防止条約 №1

オバマ米大統領は昨年の4月5日チェコのプラハで行った核廃絶を訴える演説の中で、NPT(核拡散防止条約)の強化を提唱しました。個人的には、オバマ演説は核廃絶というよりも、アフガンの戦争を正当化する演説のように感じました。実際、NPTを強化しても、それが何を意味するのかがわかりません。

今回はNPTについてお話します。





NPTは1953(昭和28)年12月の国連総会で、アイゼンハワー米大統領が「原子力の平和利用」を提唱したことに始まります。原子力発電所技術が輸出されるようなり、そこから生まれるプルトニウムを使って原爆を製造、保有する国が増えることを懸念してのことでした。

原子力の平和利用が模索され始め、1957年に国際原子力機関(IAEA)が設立されました。2007年で144ヵ国が加盟しています。IAEAの目的は、『原子力の平和利用促進』と『原子力の軍事利用を防ぐ』ことにあります。

当時、フランスと中国が原爆開発を行っており、フランスは1960年、中国は1964年に原爆実験に成功しました。この成功を受け、米国は敵対したいるソ連に働きかけ、米・ソ・英・仏・中の5ヶ国以外に核兵器を持たせないようにするNPT締結交渉を開始しました。NPTは軍縮・軍備管理が目的ではなく、米・ソ・英・仏・中の5ヶ国、安保理常任理事国による核独占でした。

現在からは想像もできない偏った条約ですが、当時は東西冷戦下にあり、いつ全面核戦争が起きても不思議ではない緊張状態にあり、核保有国が増えることは、その分、地域紛争が核戦争となり、さらに全面核戦争へエスカレートする懸念が高まっていました。核戦争は核保有国の数の二乗に比例するとされ、こうした核戦争を防ぐことを真剣に考えて出されたものでした。

67年国連総会が核兵器不拡散を決議、それを受け、68年7月、米・ソ・英の核保有国と非核保有国53ヶ国、合計56ヶ国で調印され、70年3月に発効しました。日本は70年に調印、76年6月に批准しました。核デビューしたばかりの仏・中は「米ソの核独占」になるとNPTの趣旨、条文には応じられないとして反発し、NPTに加盟したのは冷戦終結後の92年になってからのことでした。

NPTは67年1月1日の時点で核兵器を保有国と定められた米・ソ・英・仏・中のみに核兵器保有を認め、それ以外の国を非核兵器保有国とされる不平等条約です。インド・イスラエル・パキスタン・北朝鮮が核保有に踏み切っても、世界の非難が多くないのは、こうした不平等条約の存在があります。

2008年12月の時点で、締約国は190ヶ国が加盟し、最も普遍性の高い条約の一つとされています。しかし、内容は不平等であり、差別的な義務を課しています。

核兵器保有国には、核兵器その他の核爆発装置またはその管理を委譲しないこと、その製造、取得に非核保有国を援助しないことなど、核兵器の拡散防止義務を課しています。

第一条 締約国である各核兵器国は、核兵器その他の核爆発装置又はその管理をいかなる者に対しても直接又は間接に移譲しないこと及び核兵器その他の核爆発装置の製造若しくはその他の方法による取得又は核兵器その他の核爆発装置の管理の取得につきいかなる非核兵器国に対しても何ら援助、奨励又は勧誘を行わないことを約束する。

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