憂い next ver.
新・元自衛官の憂い
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02021447 | [PR] |
01101912 | 核拡散防止条約 №2 |
前回、NPTは不平等条約であることをお話しました。
この不平等条約の存在は、核廃絶を妨げる大きな壁となっており、この不平等条約を拡大もしくは強化するオバマ大統領の意図がわかりません。さらに、不平等を広げるのであれば、非核保有国から賛同を得るのは難しくなり、新興の核ファミリー入りした国家も受け入れることはないでしょう。
第2条では拡散避止義務、第3条ではIAEAとの個別保障協定締結義務を非核保有国に課しています。
第2条 締約国である各非核兵器国は、核兵器その他の核爆発装置又はその管理をいかなる者からも直接又は間接に受領しないこと、核兵器その他の核爆発装置を製造せず又はその他の方法によつて取得しないこと及び核兵器その他の核爆発装置の製造についていかなる援助をも求めず又は受けないことを約束する。
第3条
1 締約国である各非核兵器国は、原子力が平和的利用から核兵器その他の核爆発装置に転用されることを防止するため、この条約に基づいて負う義務の履行を確認することのみを目的として国際原子力機関憲章及び国際原子力機関の保障措置制度に従い国際原子力機関との間で交渉しかつ締結する協定に定められる保障措置を受諾することを約束する。この条の規定によつて必要とされる保障措置の手続は、原料物質又は特殊核分裂性物質につき、それが主要な原子力施設において生産され、処理され若しくは使用されているか又は主要な原子力施設の外にあるかを問わず、遵守しなければならない。この条の規定によつて必要とされる保障措置は、当該非核兵器国の領域内若しくはその管轄下で又は場所のいかんを問わずその管理の下で行われるすべての平和的な原子力活動に係るすべての原料物質及び特殊核分裂性物質につき、適用される。
2 各締約国は、(a)原料物質若しくは特殊核分裂性物質又は(b)特殊核分裂性物質の処理、使用若しくは生産のために特に設計され若しくは作成された設備若しくは資材を、この条の規定によつて必要とされる保障措置が当該原料物質又は当該特殊核分裂性物質について適用されない限り、平和的目的のためいかなる非核兵器国にも供給しないことを約束する。
3 この条の規定によつて必要とされる保障措置は、この条の規定及び前文に規定する保障措置の原則に従い、次条の規定に適合する態様で、かつ、締約国の経済的若しくは技術的発展又は平和的な原子力活動の分野における国際協力(平和的目的のため、核物質及びその処理、使用又は生産のための設備を国際的に交換することを含む。)を妨げないような態様で、実施するものとする。
4 締約国である非核兵器国は、この条に定める要件を満たすため、国際原子力機関憲章に従い、個々に又は他の国と共同して国際原子力機関と協定を締結するものとする。その協定の交渉は、この条約が最初に効力を生じた時から百八十日以内に開始しなければならない。この百八十日の期間の後に批准書又は加入書を寄託する国については、その協定の交渉は、当該寄託の日までに開始しなければならない。その協定は、交渉開始の日の後十八箇月以内に効力を生ずるものとする。
保障措置の目的は、平和目的の核物質の軍事転用を早期に発見し、それを通じて転用を抑止することであり、直接防ぐ役割は担っていません。締約国とIAEAの関係は、IAEAになされる報告と、IAEAの査察ですが、査察の基本は核物質の計量と、核物質の流れを検証するだけです。
IAEAは各国からの定期報告書のチェック、核物質があるとされる施設に査察官を送り、査察官が核物質を計量し内部記録と比較します。
査察は特定査察、通常査察、特別査察に区分されています。
特定査察は、対象核物質に関する締約国報告検証のために実施されます。通常査察は、締約国から提出される核施設の活動に関する各種報告と現場での記録が合致しているか検証されます。いずれの査察も、締約国から提出された報告書に基づいて検証が行われます。
特別査察は、違反の疑いがある場合に実施され、未申告の施設等も査察の対象となります。
保障措置とは、監視と封印とされています。査察官が常時監視していないため、核物質の移動などの情報を得るために、締約国の核施設に監視カメラが設置され、原子炉内部、原子炉への燃料の搬入・搬出口、燃料貯蔵施設などにカメラが設置されています。カメラは細工等されないよう金属製の箱に収納され、外部から触れられないよう封印され、電源も保護されています。
しかし、現実的には核物質の転用を防ぐための強制権限はIAEAにはなく、査察の成否は当該政府の協力にしだいという非常に曖昧なものとなっているのです。イラク侵攻前、こうした協力が得られず、事態が緊迫化したのをご記憶の方もいらっしゃるでしょう。
この不平等条約の存在は、核廃絶を妨げる大きな壁となっており、この不平等条約を拡大もしくは強化するオバマ大統領の意図がわかりません。さらに、不平等を広げるのであれば、非核保有国から賛同を得るのは難しくなり、新興の核ファミリー入りした国家も受け入れることはないでしょう。
第2条では拡散避止義務、第3条ではIAEAとの個別保障協定締結義務を非核保有国に課しています。
第2条 締約国である各非核兵器国は、核兵器その他の核爆発装置又はその管理をいかなる者からも直接又は間接に受領しないこと、核兵器その他の核爆発装置を製造せず又はその他の方法によつて取得しないこと及び核兵器その他の核爆発装置の製造についていかなる援助をも求めず又は受けないことを約束する。
第3条
1 締約国である各非核兵器国は、原子力が平和的利用から核兵器その他の核爆発装置に転用されることを防止するため、この条約に基づいて負う義務の履行を確認することのみを目的として国際原子力機関憲章及び国際原子力機関の保障措置制度に従い国際原子力機関との間で交渉しかつ締結する協定に定められる保障措置を受諾することを約束する。この条の規定によつて必要とされる保障措置の手続は、原料物質又は特殊核分裂性物質につき、それが主要な原子力施設において生産され、処理され若しくは使用されているか又は主要な原子力施設の外にあるかを問わず、遵守しなければならない。この条の規定によつて必要とされる保障措置は、当該非核兵器国の領域内若しくはその管轄下で又は場所のいかんを問わずその管理の下で行われるすべての平和的な原子力活動に係るすべての原料物質及び特殊核分裂性物質につき、適用される。
2 各締約国は、(a)原料物質若しくは特殊核分裂性物質又は(b)特殊核分裂性物質の処理、使用若しくは生産のために特に設計され若しくは作成された設備若しくは資材を、この条の規定によつて必要とされる保障措置が当該原料物質又は当該特殊核分裂性物質について適用されない限り、平和的目的のためいかなる非核兵器国にも供給しないことを約束する。
3 この条の規定によつて必要とされる保障措置は、この条の規定及び前文に規定する保障措置の原則に従い、次条の規定に適合する態様で、かつ、締約国の経済的若しくは技術的発展又は平和的な原子力活動の分野における国際協力(平和的目的のため、核物質及びその処理、使用又は生産のための設備を国際的に交換することを含む。)を妨げないような態様で、実施するものとする。
4 締約国である非核兵器国は、この条に定める要件を満たすため、国際原子力機関憲章に従い、個々に又は他の国と共同して国際原子力機関と協定を締結するものとする。その協定の交渉は、この条約が最初に効力を生じた時から百八十日以内に開始しなければならない。この百八十日の期間の後に批准書又は加入書を寄託する国については、その協定の交渉は、当該寄託の日までに開始しなければならない。その協定は、交渉開始の日の後十八箇月以内に効力を生ずるものとする。
保障措置の目的は、平和目的の核物質の軍事転用を早期に発見し、それを通じて転用を抑止することであり、直接防ぐ役割は担っていません。締約国とIAEAの関係は、IAEAになされる報告と、IAEAの査察ですが、査察の基本は核物質の計量と、核物質の流れを検証するだけです。
IAEAは各国からの定期報告書のチェック、核物質があるとされる施設に査察官を送り、査察官が核物質を計量し内部記録と比較します。
査察は特定査察、通常査察、特別査察に区分されています。
特定査察は、対象核物質に関する締約国報告検証のために実施されます。通常査察は、締約国から提出される核施設の活動に関する各種報告と現場での記録が合致しているか検証されます。いずれの査察も、締約国から提出された報告書に基づいて検証が行われます。
特別査察は、違反の疑いがある場合に実施され、未申告の施設等も査察の対象となります。
保障措置とは、監視と封印とされています。査察官が常時監視していないため、核物質の移動などの情報を得るために、締約国の核施設に監視カメラが設置され、原子炉内部、原子炉への燃料の搬入・搬出口、燃料貯蔵施設などにカメラが設置されています。カメラは細工等されないよう金属製の箱に収納され、外部から触れられないよう封印され、電源も保護されています。
しかし、現実的には核物質の転用を防ぐための強制権限はIAEAにはなく、査察の成否は当該政府の協力にしだいという非常に曖昧なものとなっているのです。イラク侵攻前、こうした協力が得られず、事態が緊迫化したのをご記憶の方もいらっしゃるでしょう。
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