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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :02/02/23:42

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自衛隊に領域警備任務を追加するようです。

何を「領域警備」とするのかは、相変わらずわかりませんが、推測すると「領海警備」だと思われます。

日本では「領空侵犯」と同義語のように扱われていますが、「領海侵犯」は解釈が難しく、自衛隊に領海警備を担当させるのはいかがなものか不安があります。






「領空侵犯」は国際法で規定される用語であるのに対し、「領海侵犯」は法律用語ではなく、領海内に外国船舶による航行が「無害でない通航」であることを意味するものです。

領海内で「無害でない通航」を防止するための必要な措置をとることが、国連海洋法でも認められています。他国の公船(海上警察の船舶、巡視船、軍艦等)に対して、国家は自国領海内の通航にかかる自国法令の遵守を要請すると共に、要請が無視された場合、領海からただちに退去することを要求できると定められています。

しかし、要求を無視された場合に執行できる措置の具体的内容は規定されていません。領海内で無害でない活動を行う商船に対しては、「質問」「強制停船」「臨検」「拿捕」「強制退去」等の措置が可能です。軍艦に対しては、活動の中止要求、領海外への退去要求、警告射撃等を実施できるとされています。

外国の軍艦による領海内における有害な行動が当該国に対する「武力攻撃」と認められる場合は、その行動当初より「自衛権行使」として武力をもって対処ができます。

尖閣諸島の問題でこうした動きが出てきたものですが、事情通にはあまりに遅い対応と感じていると思われます。

1999年3月、北朝鮮工作船による「不審船事件」が領域警備について検討されるべきでした。つまり、日本は15年の間、領域警備について何ら動きがなかったのです。危機感が無いというか、無能というか、我が国の為政者のレベルがうかがい知れます。

不審船事件は、どの省庁が担当するか決まりがありませんでした。海保は国内外を問わず、漁船等の法令違反容疑を取締る任務を付与されています。しかし、重武装していると思われる不審船に対する取り締まりは、海上自衛隊が対応するのではないかと問題になりました。

外国公船が法令違反した場合、海保の警察行動ではなく、海上自衛隊による警備活動として対処し、この任務を日常的に付与するというものです。

ここで注目しなければならないのは、不審船事件の第一の問題点は、不審船を停船させるための武器使用が厳しく制限されていたことにあります。

2001年に起きた九州南西海域工作船事件では、停船を求める巡視船艇により拡声器と無線による警告、旗りゅう信号、発光信号、汽笛等による音響信号、発炎筒により停船命令が繰り返されましたが、工作船は逃走を続け、旗りゅう信号による攻撃の警告、無線による攻撃の警告の後、上空及び不審船近くの海面に威嚇射撃を実施しました。

海保法では正当防衛、緊急避難、凶悪犯罪者の検挙以外に人身にたいする危害射撃を行えません。しかし、射撃指揮装置の付いた機関砲を装備していた巡視船艇は、乗員に危害を与えないで船体を射撃できると判断され、警告放送後機関砲による船体射撃が実施されました。

結果は皆さんもご存知の通りです。

日本政府は1999年の不審船事件の教訓から法整備等の検討もされず、海保が99年の教訓から射撃指揮装置の付いた機関砲を搭載していたからこそ、九州南西海域工作船事件は逃走を阻止できたのです。

健全な政府であれば、法整備前に実効的な武器使用が可能なようにROEを明確に定めておくことがなされたはずです。

米国は領域警備を軍が担っています。日本と対峙する韓国は軍を中心としてその他の機関が一体となって領域警備を担当。ロシアでは領域警備のための専門的機関を設置するなど様々な方法があります。

このように安易な自衛隊法の改正による自衛隊に領域警備を担当させるのではなく、段階的に進めるべきではないでしょうか。

なぜならば、領域警備、領海警備だけに限定していえば、海保の武器使用の緩和がまず第一ではないでしょうか。

国家間の行動が、警察官職務執行法で対応しようというのは無理があるのは誰にでもわかることです。領海侵犯等の取り締まりに海自が出張って行けば、問題が大きくなり、偶発的武力衝突の可能性も大きくなり、相手が意図的に衝突を企図していれば戦争に繋がることになります。

やれることをやらず、自衛隊に押し付けるのは正当なのか。人員約45,000人の海自に仕事を増やすことに問題はないのか。

安倍首相は確かに日本をこれまでとは違った方向に導いているのは事実であり、これを評価される面もあるのは事実です。しかし、それを単に自衛隊にすべてを押し付けるのは無理があるのはわかりきったことであり、いざという時に円滑な行動が取れるのか疑問です。

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