憂い next ver.
新・元自衛官の憂い
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02030705 | [PR] |
03050800 | 戦術無き軍隊のAAV7採用への疑問 |
海兵隊についてお話しましたが、陸自が水陸両用車の調達を望んでいるようです。
陸自では車種を未定としながらも「装甲化」さらに「装軌式」と限定しており、これはアメリカ海兵隊で運用されているAAV7であることがバレバレです。
現在、各国で運用されている水陸両用装甲車はAAV7強襲装甲車、イタリアがM113をベースに開発された「アリゲーター」、ロシアはBMP-3、PTS-2、中国は05式水陸両用歩兵戦闘車、イギリスのBVS-10があります。
日本がロシア・中国から導入するとは考えられず除外できます。「アリゲーター」は少数が生産されたのみで、現在は生産されていません。BVS-10は輸送車両であり、ここから導き出されるのはAAV7となるのは当然です。
アメリカ海兵隊は第二次世界大戦中、太平洋戦線で水陸両用強襲車LVT(Landing Vehicle Tracked)シリーズで日本軍守備隊が守る島々を攻略してきました。LVTは上陸作戦で損害を低減できることを証明しました。
アメリカ海兵隊はLVTを評価し、第二次世界大戦後も1950年代にLVTシリーズの後継となるLVTP5を実用化しますが、LVTP5は大型で攻撃目標とされやすく、燃料タンクは兵員室の下にあり、地雷に弱く、速度も遅いだけでなく航続距離も短いという問題のあるものでした。初陣となったベトナム戦争では損害を出しました。
LVTP5の後継は、ベトナム戦争の戦訓を採り入れ、LVTP7が1970年に採用されました。
LVTP7は浮航性に優れたボート型のデザインを採用し、車体の軽量化と強度を両立させるためにアルミ合金の全溶接構造とされました。
水上航行時はウォータージェットを採用するなど、新機軸が採り入れられ、武装は12.7mmM2機関銃×1、Mk19MOD3 (40mm)グレネードランチャー(擲弾)×1.。
Mk19は擲弾を毎分最大300~400発の発射が可能で、最大射距離2,200m、有効射距離1,600m、M430多目的榴弾は危害範囲半径5mの全員の殺害、15m以内では負傷させられるという能力があります。直撃すれば約5cmの装甲貫通が可能で、歩兵戦闘車や装甲兵員輸送車に有効な打撃を与えることが可能です。地上時速72km、水上13km、兵員25名収容。
海兵隊は水上航行速度に不満を持ちながらも受け入れ、兵員輸送型が942両、移動指揮所型、回収車型も開発され、一部はMk154地雷原処理装置を搭載した地雷原処理車に改造されています。
1984年LVTP7A1をAAVP(Assault Amphibian Vehicle Personned)7に改称。これは海兵隊が朝鮮戦争での仁川上陸作戦以来、大規模な敵前上陸作戦が行われておらず、水陸両用強襲装甲車の必要性が疑問視されるようになり、海兵隊は政治的配慮から改称されたものです。
AAV7が1991年の湾岸戦争、2003年のイラク戦争で活躍。2005年の「カトリーナ」の救援作戦でも水陸両用性が有効であることが証明され、東日本大震災では陸自がAAV7を緊急調達して被災地に投入するという報道もありました。
陸自にはAAV7の導入は有効であるかのようですが、アメリカ海兵隊、輸出用AAV7の新規生産は終了しており、現在稼働中の生産ラインは韓国三星テックウィンが韓国海兵隊向けのライセンス生産を行っているもののみです。
陸自は島嶼防衛から水陸両用装甲車を導入すると思われ、韓国とは竹島問題があり、韓国企業が日本に売却することも考えられず、陸自はアメリカ海兵隊のAAV7をレストアして導入することでしょう。
アメリカ国内にはAAV7生産ラインが残されているようで、陸自が本格導入するとなれば再生産もあり得ます。
陸自ではAAV7をどのように運用するのでしょうか。
AAV7はアメリカを含め10ヶ国で採用されていますが、うち9ヶ国は海兵隊が運用しており、海兵隊を持たない1ヶ国では海軍歩兵部隊が運用しています。
それでは、自衛隊に海兵隊が創設されるのか。
現自民党幹事長石破茂氏は、総裁選で日本に海兵隊の必要性を語っていましたが、海兵隊の創設には膨大な時間が必要であり、採用されても陸自で当面は運用されるでしょう。
その運用部隊は西部方面普通科連隊と思われますが、実戦投入する際には、海自もしくはアメリカ海軍の支援が必要となり、緊急展開性を欠くことになります。
AAV7を導入して部隊を作って済むものではなく、AAV7の最前線投入のための海自による火力支援、空自による航空支援も必要となり、運用にこぎつけるまでの種々の問題を片付けていかなければならず、AAV7の導入は妥当なものか再検討されるべきではないでしょうか。
かつて先輩から聞きましたが、陸自ではかなり昔に攻撃ヘリ開発構想があったそうですが、火炎放射器を搭載しようと検討が重ねられましたが、風圧の問題が解決されずボツになったそうです。
陸自は武器選択にはセンスがありません。
陸自はセンスが無い上に、採用には迷いが出てしまいます。海自は新しい物を好み、空自は女々しいほどアメリカ空軍と同じ物にこだわります。
通常であれば、国家の戦略から軍は戦術を立てます。
その国の経済状態から武器が決められていきます。AAV7の採用は、この国の戦術に合致しているのでしょうか。
陸自では車種を未定としながらも「装甲化」さらに「装軌式」と限定しており、これはアメリカ海兵隊で運用されているAAV7であることがバレバレです。
現在、各国で運用されている水陸両用装甲車はAAV7強襲装甲車、イタリアがM113をベースに開発された「アリゲーター」、ロシアはBMP-3、PTS-2、中国は05式水陸両用歩兵戦闘車、イギリスのBVS-10があります。
日本がロシア・中国から導入するとは考えられず除外できます。「アリゲーター」は少数が生産されたのみで、現在は生産されていません。BVS-10は輸送車両であり、ここから導き出されるのはAAV7となるのは当然です。
アメリカ海兵隊は第二次世界大戦中、太平洋戦線で水陸両用強襲車LVT(Landing Vehicle Tracked)シリーズで日本軍守備隊が守る島々を攻略してきました。LVTは上陸作戦で損害を低減できることを証明しました。
アメリカ海兵隊はLVTを評価し、第二次世界大戦後も1950年代にLVTシリーズの後継となるLVTP5を実用化しますが、LVTP5は大型で攻撃目標とされやすく、燃料タンクは兵員室の下にあり、地雷に弱く、速度も遅いだけでなく航続距離も短いという問題のあるものでした。初陣となったベトナム戦争では損害を出しました。
LVTP5の後継は、ベトナム戦争の戦訓を採り入れ、LVTP7が1970年に採用されました。
LVTP7は浮航性に優れたボート型のデザインを採用し、車体の軽量化と強度を両立させるためにアルミ合金の全溶接構造とされました。
水上航行時はウォータージェットを採用するなど、新機軸が採り入れられ、武装は12.7mmM2機関銃×1、Mk19MOD3 (40mm)グレネードランチャー(擲弾)×1.。
Mk19は擲弾を毎分最大300~400発の発射が可能で、最大射距離2,200m、有効射距離1,600m、M430多目的榴弾は危害範囲半径5mの全員の殺害、15m以内では負傷させられるという能力があります。直撃すれば約5cmの装甲貫通が可能で、歩兵戦闘車や装甲兵員輸送車に有効な打撃を与えることが可能です。地上時速72km、水上13km、兵員25名収容。
海兵隊は水上航行速度に不満を持ちながらも受け入れ、兵員輸送型が942両、移動指揮所型、回収車型も開発され、一部はMk154地雷原処理装置を搭載した地雷原処理車に改造されています。
1984年LVTP7A1をAAVP(Assault Amphibian Vehicle Personned)7に改称。これは海兵隊が朝鮮戦争での仁川上陸作戦以来、大規模な敵前上陸作戦が行われておらず、水陸両用強襲装甲車の必要性が疑問視されるようになり、海兵隊は政治的配慮から改称されたものです。
AAV7が1991年の湾岸戦争、2003年のイラク戦争で活躍。2005年の「カトリーナ」の救援作戦でも水陸両用性が有効であることが証明され、東日本大震災では陸自がAAV7を緊急調達して被災地に投入するという報道もありました。
陸自にはAAV7の導入は有効であるかのようですが、アメリカ海兵隊、輸出用AAV7の新規生産は終了しており、現在稼働中の生産ラインは韓国三星テックウィンが韓国海兵隊向けのライセンス生産を行っているもののみです。
陸自は島嶼防衛から水陸両用装甲車を導入すると思われ、韓国とは竹島問題があり、韓国企業が日本に売却することも考えられず、陸自はアメリカ海兵隊のAAV7をレストアして導入することでしょう。
アメリカ国内にはAAV7生産ラインが残されているようで、陸自が本格導入するとなれば再生産もあり得ます。
陸自ではAAV7をどのように運用するのでしょうか。
AAV7はアメリカを含め10ヶ国で採用されていますが、うち9ヶ国は海兵隊が運用しており、海兵隊を持たない1ヶ国では海軍歩兵部隊が運用しています。
それでは、自衛隊に海兵隊が創設されるのか。
現自民党幹事長石破茂氏は、総裁選で日本に海兵隊の必要性を語っていましたが、海兵隊の創設には膨大な時間が必要であり、採用されても陸自で当面は運用されるでしょう。
その運用部隊は西部方面普通科連隊と思われますが、実戦投入する際には、海自もしくはアメリカ海軍の支援が必要となり、緊急展開性を欠くことになります。
AAV7を導入して部隊を作って済むものではなく、AAV7の最前線投入のための海自による火力支援、空自による航空支援も必要となり、運用にこぎつけるまでの種々の問題を片付けていかなければならず、AAV7の導入は妥当なものか再検討されるべきではないでしょうか。
かつて先輩から聞きましたが、陸自ではかなり昔に攻撃ヘリ開発構想があったそうですが、火炎放射器を搭載しようと検討が重ねられましたが、風圧の問題が解決されずボツになったそうです。
陸自は武器選択にはセンスがありません。
陸自はセンスが無い上に、採用には迷いが出てしまいます。海自は新しい物を好み、空自は女々しいほどアメリカ空軍と同じ物にこだわります。
通常であれば、国家の戦略から軍は戦術を立てます。
その国の経済状態から武器が決められていきます。AAV7の採用は、この国の戦術に合致しているのでしょうか。
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