憂い next ver.
新・元自衛官の憂い
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11290800 | 下手な鉄砲は数を撃っても当たりません |
空気が読めず、やたらに女性に声をかけまくり、食事にでも一緒に行こうものなら、〝彼女は俺のモノ〟と言い出すヤツはどこにでもいるものです。
新防衛大綱で陸自戦車の大幅な削減と、戦車の本土防衛から離島防衛にスライドさせ、戦車を北海道・九州に重点配備するそうです。
冷戦期、旧ソ連による北海道侵攻を想定し戦車は北海道に重点配備されました。戦術的には、北海道は陽動作戦で、越後平野に連隊規模の部隊を上陸させ、東京に向かわせれば上陸から数時間で東京は陥落します。これが常識のある戦術です。
今回の大綱で戦車に替わり、先ごろ発表された機動戦闘車にするのだそうです。私の記憶が正しければ、機動戦闘車は離島防衛強化に回されるはずでした。戦車に代替するとは、機動戦闘車の開発コンセプトが違います。最新型の10式戦車は無駄になります。
自衛隊を何事があっても信奉する自衛隊聖歌隊は、当然、戦車の削減に反対しています。しかし、現実的に日本国内で戦車戦は想定できず、歩兵支援に当たるかつての歩兵戦車のような存在が日本にとって必要なのではないでしょうか。しかし、世界のどこにも歩兵戦車は無くなり、歩兵の輸送・支援用に歩兵戦闘車が使われています。
その一方で、冷戦後に想定される非対称戦で使われる戦車として、現在の戦車は短砲身、装甲の強化、遠隔操作式銃架、足回りの強化などで重量は増大しています。しかし、日本では90式から10式となり軽量化されたと喜んでいますが、軽量化とは防御装甲が削られた証拠です。つまり、理想と現実はあまりにも乖離しているのです。
離島防衛に既存の戦車を用いるのであれば、九州から離島までどうやって運び込もうというのかわかりません。輸送艦の不足を嘆く自衛隊のすることでしょうか。
本土攻撃はゲリラ・特殊部隊だとして機動戦闘車を用いるとしていますが、装甲が無いに等しい車体に105mm砲を搭載した装輪装甲車で立ち向かおうというのですから、かつての零式艦上戦闘機と同じです。
兵器マニアとしては10式戦車、機動戦闘車の登場は喜ばしい限りですが、実際に日本の防衛にどう役立つのか考えると、背筋に冷たいものが走ります。どうせなら、モビルスーツを実用化して欲しいものです。自衛隊聖歌隊は、現実には全く目を向けていません。
機動戦闘車をどうするか…離島防衛、PKF等の緊急展開部隊を創設し、これに装備させるのが妥当な選択でしょう。
90式、10式、機動戦闘車と陸自のお買い物リストは増える一方ですが、リストアップされるまでに多額の開発費がかかっており、ちびちび買い込んで数が揃ったら時代遅れというのは自衛隊がこれまでに続けて来た過ちです。種類が増えれば維持管理費も増えます。
最前線に立つ隊員は、無線機さえ満足に揃っていません。
それでも、このまま同じ事を繰り返すのか。自衛隊は今、戦略や戦術を問われているのではなく、常識が問われているのです。
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