憂い next ver.
新・元自衛官の憂い
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03120237 | [PR] |
02072204 | ハイチPKOの舞台裏 |
右系の一部のメルマガを読んでいると、ハイチPKO派遣を気楽に諸手を挙げて歓迎しています。
私は、こうした無責任極まりないものに触れると、本当に気分が悪くなってきます。
現実問題として、ハイチPKOへの自衛隊の派遣は、「参加五原則」には当てはまりません。
1)紛争当事者の間で停戦合意が成立していること
2)当該平和維持隊が活動する地域の属する国を含む紛争当事者が当該平和維持隊の活動及び当該平和維持隊へのわが国の参加に同意していること。
3)当該平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的立場を厳守すること。
4)上記の基本方針のいずれかが満たされない状況が生じた場合には、我が国から参加した部隊は、撤収することが出来ること。
5)武器の使用は、要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られること。
自衛隊はこれまで、内戦後のカンボジア、独立紛争後の東ティモールなでに派遣され、派遣に際し慎重な論議が交わされてきました。しかし、ハイチは災害復興支援のため、「反政府武装勢力は存在するが、国内の治安の乱れは武力紛争とはいえない」と防衛省幹部が語り、五原則での〝停戦合意〟と〝紛争当事者の受け入れ同意〟は問われませんでした。
しかし、五原則は武力紛争の発生もしくは紛争後の地域への派遣を想定した法律で、今回のような被災後の派遣を想定してはいません。
そして、根本的な民主党政府のミスは、国際緊急援助隊の派遣に遅れてしまい、現地統制する米軍が「日本の輸送機がハイチの空港に着陸する余裕はない」と通告してきており、慌てて自衛隊を送り出すことにもなったようです。
日本のメディアは、記者クラブという名の「ギルド」のような組合を作り、閉鎖的な報道を続けてきました。それがようやく、最近になって問題化しています。
先の小沢民主党幹事長の問題も、こうした組合による情報垂れ流でした。リーク情報を裏付けも取らずに報道し、国技であるはずの相撲界の問題では、横綱の一般人暴行という前代未聞の事件を「引退」ですべてが片付いたような報道をする体たらくぶりでした。師匠の責任問題、格闘家の暴行という〝事件〟であるにも関わらず、何ら責任追及をしないのは、メディアのレベルの低さの表れです。
ハイチは武装勢力は存在しても衝突がないのは事実かもしれませんが、PKO部隊の武器庫が襲撃され、武器が奪われたニュースや、救援物資を巡る支援団体と被災民との衝突、これにPKO部隊が発砲した事実、食糧を積んだ輸送車の車列を武装グループが襲撃したなど、日本のメディアの扱いは小さなものです。
派遣された自衛隊が、ハイチの人たちとトラブルになった場合、どう対処するのか、どうすべきなのかメディアはほとんど検証していません。
意見を語るべき右系は、諸手を挙げて送り出すありさま。戦中の万歳三唱で戦地に若者を送り出すかのような愚かな行為です。
こんな状態で現場で苦労を強いられるのは、自衛隊員だけ…。
こんな状態は、いつになったら卒業できるのでしょうか。
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