憂い next ver.
新・元自衛官の憂い
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02021700 | [PR] |
06150921 | ウクライナ問題 |
ウクライナ問題が尖閣諸島問題や北方領土問題に繋がるという理屈が罷り通っていますが、軍事的な面からウクライナ問題を見ると違ったものが見えてきます。
ウクライナは面積の大きな国で、ヨーロッパではロシアに次ぐ面積の国です。
肥沃な大地からは世界有数の農業生産量を誇り、工業国としてもソ連時代はウクライナ東部はソ連でも有数の重工業地帯として発展しました。
ロシアの打ち上げロット「ゼニット」、R-36大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発したM・K・ヤーンゲリ記念ユージェノエ設計局(現:M・K・ヤーンヘリ記念ビウデーンネ設計局)、製造工場である第586工場(現:ユージュマッシュ工場)、T-64、T-80戦車の製造で知られるV・O・マールィシェウ記念工場、ロシア圏で唯一航空母艦を建造できるニコラィエフ造船所、超巨人輸送機An-225のアントノフ設計局、航空機用エンジンの開発・生産するイゾトフ設計局(現:モトール・シチ)など、ロシアにとってコアとなる軍事技術の開発生産拠点がウクライナには存在しています。
クリミア半島南西部のセヴァストポリには黒海艦隊、戦略爆撃機群、1,000発とされる艦載巡航ミサイル、100基前後のICBM、2ヵ所の弾道ミサイル早期警戒レーダー基地、訓練施設などまでありこれらがソ連の崩壊とともに「外国」になってしまったのです。
ロシアは当初、シャポシニコフ元ソ連空軍総司令官を総司令官としてCIS統一軍を編成し旧ソ連諸国の軍事力をロシアの管理下に置こうとしましたが、旧ソ連諸国は独自の軍を創設し、統一軍編成は失敗しました。
旧ソ連の軍事技術や軍事力をどうするかが大きな問題となりました。
ウクライナはすべての軍需産業を国有化し、ロシアはウクライナの軍需産業に依存する形となってしまいます。ロケット、ICBM、ヘリ、大型輸送機などメンテナンスまでウクライナに依存しています。
ウクライナをロシアの影響下に置くことは、ソ連の復活にも繋がることになり西側は強い警戒感を持っていました。
農業・工業、そして潜在的可能性のある市場としてのウクライナの存在はロシア帝国として君臨できるかどうかという大きな問題を内包しているのです。
さらにウクライナもまたロシアに依存するところが大きいのです。
ウクライナの工業は国際価格の4分の1という安価で供給されるロシア産の天然ガスにより国際競争力を維持しており、ウクライナ国内を通る天然ガスパイプラインの通過料収入もウクライナの収入源となっておりロシアの存在は大きなものがあります。
こうしたことからウクライナはロシアとの関係を悪化させないように配慮しつつ、西側各国との関係を深めるという複雑な外交政策を行ってきました。
しかし、ウクライナは94年にEUとの「パートナーシップ及び協力協定」、95年にはNATOと「平和のためのパートナーシップ」を結び西側諸国との協力関係をスタートさせました。
当時はまだEUやNATOに加盟を目指すものではなく、ウクライナにとりロシアは最大のパートナーでした。
97年にはロシアと距離を置こうとする他の旧ソ連諸国と共にGUAMを結成しました。グルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバで構成され当時のクチマ大統領はウクライナのEU・NATOへの加盟を目指すことを掲げました。
ウクライナは2003年のイラク戦争を支持し、ウクライナ軍をイラクへ派遣し、「国家安全保障法」にもウクライナのNATO加盟による欧州への統合が正式に盛り込まれました。
このように背景にはロシアにとって軍事技術の流出だけでなく、弾道ミサイル早期警戒システムの喪失などウクライナがロシアから離反することはロシアにとって重大な危機を招く可能性が高いのです。
そうして事実を無視し、安直なロシア批判はロシアを追い込むだけでなく、日本が最も警戒しなければならない中露の結束さえ招きかねないのです。
日本は欧米に右に倣えではなく、日本の色が出る外交政策を実行すべきであり、ウクライナに対しても日本からメッセージを伝えるべきではないでしょうか。
ウクライナ問題は、極右と極左の衝突です。それが事を複雑にしているのです。
ウクライナは面積の大きな国で、ヨーロッパではロシアに次ぐ面積の国です。
肥沃な大地からは世界有数の農業生産量を誇り、工業国としてもソ連時代はウクライナ東部はソ連でも有数の重工業地帯として発展しました。
ロシアの打ち上げロット「ゼニット」、R-36大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発したM・K・ヤーンゲリ記念ユージェノエ設計局(現:M・K・ヤーンヘリ記念ビウデーンネ設計局)、製造工場である第586工場(現:ユージュマッシュ工場)、T-64、T-80戦車の製造で知られるV・O・マールィシェウ記念工場、ロシア圏で唯一航空母艦を建造できるニコラィエフ造船所、超巨人輸送機An-225のアントノフ設計局、航空機用エンジンの開発・生産するイゾトフ設計局(現:モトール・シチ)など、ロシアにとってコアとなる軍事技術の開発生産拠点がウクライナには存在しています。
クリミア半島南西部のセヴァストポリには黒海艦隊、戦略爆撃機群、1,000発とされる艦載巡航ミサイル、100基前後のICBM、2ヵ所の弾道ミサイル早期警戒レーダー基地、訓練施設などまでありこれらがソ連の崩壊とともに「外国」になってしまったのです。
ロシアは当初、シャポシニコフ元ソ連空軍総司令官を総司令官としてCIS統一軍を編成し旧ソ連諸国の軍事力をロシアの管理下に置こうとしましたが、旧ソ連諸国は独自の軍を創設し、統一軍編成は失敗しました。
旧ソ連の軍事技術や軍事力をどうするかが大きな問題となりました。
ウクライナはすべての軍需産業を国有化し、ロシアはウクライナの軍需産業に依存する形となってしまいます。ロケット、ICBM、ヘリ、大型輸送機などメンテナンスまでウクライナに依存しています。
ウクライナをロシアの影響下に置くことは、ソ連の復活にも繋がることになり西側は強い警戒感を持っていました。
農業・工業、そして潜在的可能性のある市場としてのウクライナの存在はロシア帝国として君臨できるかどうかという大きな問題を内包しているのです。
さらにウクライナもまたロシアに依存するところが大きいのです。
ウクライナの工業は国際価格の4分の1という安価で供給されるロシア産の天然ガスにより国際競争力を維持しており、ウクライナ国内を通る天然ガスパイプラインの通過料収入もウクライナの収入源となっておりロシアの存在は大きなものがあります。
こうしたことからウクライナはロシアとの関係を悪化させないように配慮しつつ、西側各国との関係を深めるという複雑な外交政策を行ってきました。
しかし、ウクライナは94年にEUとの「パートナーシップ及び協力協定」、95年にはNATOと「平和のためのパートナーシップ」を結び西側諸国との協力関係をスタートさせました。
当時はまだEUやNATOに加盟を目指すものではなく、ウクライナにとりロシアは最大のパートナーでした。
97年にはロシアと距離を置こうとする他の旧ソ連諸国と共にGUAMを結成しました。グルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバで構成され当時のクチマ大統領はウクライナのEU・NATOへの加盟を目指すことを掲げました。
ウクライナは2003年のイラク戦争を支持し、ウクライナ軍をイラクへ派遣し、「国家安全保障法」にもウクライナのNATO加盟による欧州への統合が正式に盛り込まれました。
このように背景にはロシアにとって軍事技術の流出だけでなく、弾道ミサイル早期警戒システムの喪失などウクライナがロシアから離反することはロシアにとって重大な危機を招く可能性が高いのです。
そうして事実を無視し、安直なロシア批判はロシアを追い込むだけでなく、日本が最も警戒しなければならない中露の結束さえ招きかねないのです。
日本は欧米に右に倣えではなく、日本の色が出る外交政策を実行すべきであり、ウクライナに対しても日本からメッセージを伝えるべきではないでしょうか。
ウクライナ問題は、極右と極左の衝突です。それが事を複雑にしているのです。
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