憂い next ver.
新・元自衛官の憂い
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03120351 | [PR] |
04211446 | 言霊信仰と東日本大震災 |
言霊信仰では、声に出した言葉は現実の事象に影響を与えると信じられています。
発した言葉の良し悪しによって吉凶が起こるとされています。
日本文化にけちを付ける気はありませんが、こうした言霊信仰と呼び方を変えてはいますが、私は日本人の「事なかれ主義」だと考えていますが、ちょっと見方を変えると「日本人は見たくないものは見ない、見たくないものは見えないふり」をしているように思えます。
それが、東日本大震災では「想定外」として片付けられたのではないでしょうか。
東日本大震災は自衛隊にとっても「想定外」であったのは事実です。
それを救ったのは陸上自衛官のトップである火箱芳文陸幕長(当時)でした。
想定外の事態に直面すると、人間の本性(本質)が見えてきます。
軍人では、士官学校・大学校で優秀な成績で残しても、実戦の場ではその成績に見合った活躍ができず後送され予備役となった軍人は少なからず存在しています。
東日本大震災当時、陸幕長が深謀遠慮するタイプ、官僚のように手続きを厳守しようとするタイプだったら、あのような迅速な対応は不可能だったでしょう。
官僚タイプの手続きを厳守する指揮官、このようなタイプが指揮官として対応の遅れを指摘されたのが阪神淡路大震災でした。
火箱陸幕長は、幹部レンジャー課程、空挺課程を修了しており、まさに実戦向きの指揮官だったのです。
しかし、厳密に言えば火箱陸幕長は震災で越権行為をしているのです。
自衛隊では海自は自衛艦隊司令官、空自では航空総隊司令官が全国の部隊を一元的に運用していますが、陸自では全国の部隊を一元的に運用する組織がありません。
陸自の部隊単位の最大は「方面隊」で、有事には各方面隊に個別の命令が下される形となっています。
震災は、この一元的に指揮する指揮官不在のところに襲い掛かったのです。
震災は陸自にとっての「有事」であり、問題点が放置されたまま対処しなければならない状態にあったことになります。
火箱陸幕長は、発災直後から動き始め、すぐに東北方面総監に電話。東北方面隊全部隊に非常呼集、災害派遣出動命令、そして東北方面総監に全国の部隊を増援として送ること、県知事の要請を待たずに出動を命じました。
陸幕長は、防衛大臣の指揮監督の下、陸上自衛隊の任務および隊員の服務を監督し、それらに関する最高の専門的助言者として大臣を補佐するのが職務ですので、陸幕長からは命令を発することは有り得ません。
これは、刑法第193条の公務員職権濫用罪に問われてもおかしくないものであり、自衛隊では有無を言わさず懲戒処分となります。
火箱陸幕長の決断に間違いはなかったのは、震災で活動した陸自の活躍が証明しています。
しかし、この根本問題の解決策である陸自総隊については何等動きは見えてきません。
これは、火箱陸幕長の越権行為に結果オーライで済ませる代わりに、陸上総隊については全く感知しないということになりますが、見たくないものは見ない、見えないという日本人の感覚が作用しているのではないでしょうか。
東日本大震災に関連したすべてを検証し、全てを白日の下にしなければならないはずなのに、全くそうした動きが見られません。
見えていないのか、見ようとしないのか、いずれにしても日本人の根源的問題です。
根源的であるかわりに、日本人の未来に大きく影響する問題であることを私たちは認識すべきではないでしょうか。
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発した言葉の良し悪しによって吉凶が起こるとされています。
日本文化にけちを付ける気はありませんが、こうした言霊信仰と呼び方を変えてはいますが、私は日本人の「事なかれ主義」だと考えていますが、ちょっと見方を変えると「日本人は見たくないものは見ない、見たくないものは見えないふり」をしているように思えます。
それが、東日本大震災では「想定外」として片付けられたのではないでしょうか。
東日本大震災は自衛隊にとっても「想定外」であったのは事実です。
それを救ったのは陸上自衛官のトップである火箱芳文陸幕長(当時)でした。
想定外の事態に直面すると、人間の本性(本質)が見えてきます。
軍人では、士官学校・大学校で優秀な成績で残しても、実戦の場ではその成績に見合った活躍ができず後送され予備役となった軍人は少なからず存在しています。
東日本大震災当時、陸幕長が深謀遠慮するタイプ、官僚のように手続きを厳守しようとするタイプだったら、あのような迅速な対応は不可能だったでしょう。
官僚タイプの手続きを厳守する指揮官、このようなタイプが指揮官として対応の遅れを指摘されたのが阪神淡路大震災でした。
火箱陸幕長は、幹部レンジャー課程、空挺課程を修了しており、まさに実戦向きの指揮官だったのです。
しかし、厳密に言えば火箱陸幕長は震災で越権行為をしているのです。
自衛隊では海自は自衛艦隊司令官、空自では航空総隊司令官が全国の部隊を一元的に運用していますが、陸自では全国の部隊を一元的に運用する組織がありません。
陸自の部隊単位の最大は「方面隊」で、有事には各方面隊に個別の命令が下される形となっています。
震災は、この一元的に指揮する指揮官不在のところに襲い掛かったのです。
震災は陸自にとっての「有事」であり、問題点が放置されたまま対処しなければならない状態にあったことになります。
火箱陸幕長は、発災直後から動き始め、すぐに東北方面総監に電話。東北方面隊全部隊に非常呼集、災害派遣出動命令、そして東北方面総監に全国の部隊を増援として送ること、県知事の要請を待たずに出動を命じました。
陸幕長は、防衛大臣の指揮監督の下、陸上自衛隊の任務および隊員の服務を監督し、それらに関する最高の専門的助言者として大臣を補佐するのが職務ですので、陸幕長からは命令を発することは有り得ません。
これは、刑法第193条の公務員職権濫用罪に問われてもおかしくないものであり、自衛隊では有無を言わさず懲戒処分となります。
火箱陸幕長の決断に間違いはなかったのは、震災で活動した陸自の活躍が証明しています。
しかし、この根本問題の解決策である陸自総隊については何等動きは見えてきません。
これは、火箱陸幕長の越権行為に結果オーライで済ませる代わりに、陸上総隊については全く感知しないということになりますが、見たくないものは見ない、見えないという日本人の感覚が作用しているのではないでしょうか。
東日本大震災に関連したすべてを検証し、全てを白日の下にしなければならないはずなのに、全くそうした動きが見られません。
見えていないのか、見ようとしないのか、いずれにしても日本人の根源的問題です。
根源的であるかわりに、日本人の未来に大きく影響する問題であることを私たちは認識すべきではないでしょうか。
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