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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :04/21/01:37

06130800 自衛隊水陸両用戦デビュー

「ドーン・ブリッツ13」に陸海空自衛隊が初参加し、〝島嶼侵攻対処に係る自衛隊の統合運用要領及び米軍との共同対処要領を演練し、その能力の維持・向上を図る〟(統幕発表)のだそうです。

ネット上では歓迎する空気が圧倒的に多いですが、私は懐疑的です。




現在の水陸両用戦(上陸戦)は、洋上の艦艇から航空機と舟艇により上陸し、地上での各種作戦を展開する陸海空戦力の統合軍事作戦です。

不勉強な日本のメディアは、即、「尖閣奪還訓練」と尖閣と結び付けたがりますが、まず、ドーン・ブリッツ自体は尖閣諸島奪還訓練に特化したものではないこと、そして、何よりも自衛隊が束になったところで、現状では水陸両用戦はできません。現状では「隠密上陸」が関の山でしょう。

ドーン・ブリッツに参加するのは、統幕、陸自(西方普通科連隊、西方航空隊(CH-47×2、AH-64D×2)、海自(「ひゅうが」「あたご」「しもきた」、SH-60K×3)、空自(航空総隊)と公表されています。

わかりやすく言い換えれば、ヘリ空母「ひゅうが」、揚陸艦「しもきた」、ミサイル駆逐艦「あたご」が艦隊となり派遣され、揚陸に必要な攻撃ヘリ、輸送ヘリも搭載されているということです。

これで、おわかりいただけると思いますが、水陸両用戦は陸海空の枠を越えた運用となり、私の知る自衛隊では水陸両用戦はかなりの無理があるのです。

現実的な話をすれば、自衛隊に「水陸両用戦」というカテゴリーは存在していません。

東日本大震災では、海自の輸送能力の低さが証明され、北海道の陸自部隊は民間フェリーを使っていたではありませんか。

仮に尖閣諸島の奪還作戦を実行するにしても、小島の分捕り合いなわけですから、強襲揚陸が正しい選択だとは言えない側面もあります。水上艦や潜水艦による封鎖が有効であると思われます。

水陸両用戦を尖閣諸島で実行し、奪還作戦を強行するにしても、上陸から次の段階である兵站線の確保など様々な問題をクリアしなければならないのです。

さらに攻撃側は敵の支配下に不利な条件で飛び込んで行くのですから、支援態勢も確立されていなければならないのです。

相手は自分の価値判断で行動する国ですから、何をしてくるか油断のならない国家です。

私は日中が戦争状態となれば、尖閣諸島に限定された軍事作戦ではなく、日本全土を巻き込んだものとするでしょう。

日本人の心情を考えれば、それが絶対的に有利になるからです。

本土がテロや破壊工作、弾道ミサイル攻撃、爆撃など行われた場合、日本の世論は「尖閣諸島を守る(奪い返す)」のと自分たちから犠牲を出すのとを天秤に掛け、どちらを支持するかは明白です。

自衛隊が水陸両用戦能力を保持する機会となるのは認めますが、それに使える〝モノ〟が揃っておらず、自衛隊の水陸両用戦デビューはまだまだ先ということになります。

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