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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :04/23/21:03

07190800 オリジナル性の追及

Strv.103(Stridsvagn 103; ストリッツヴァグン 103)

装甲戦闘車輌でも異形を好む私の「愛する」一品です。

ストリッツヴァグン(スウェーデン語:戦車)からSタンクとも呼ばれています。

第2世代主力戦車に相当する戦車で、楔形の車体に105mmライフル砲を直接固定することで車高と前面投影面積を抑えられています。

スウェーデンは永世中立を宣しており、自国内での運用を想定し、起伏に富んだ地形を活用する待ち伏せ戦術に順応した珠玉の一品です。






このように、日本でも専守防衛を宣しており、こうした異形戦車が生み出されても不思議はありませんが、なぜかこの国の戦車は他国のデッド・コピー(と思わせるデザイン)。

なぜ独自色を出せないのでしょうか。

私はセンスが無いと考えています。

かなり前にお話しましたが、某先輩より拝聴したものですが、陸自で攻撃ヘリ(AH:Attack Helicopter)を造ろうと関係者が動き出したそうです。

しかし、AHに搭載しようとしたのが火炎放射器というのですから…笑うに笑えないセンスです。

当然、ヘリの猛烈な風圧の前にAH計画は雲散霧消してしまいました。

確か、コブラ誕生前の話だったと記憶しています。

Sタンクのような画期的なものが生まれないのは、こうしたセンスの無さが原因なのではないでしょうか。

ですから、90式や10式が某国の戦車に似ている=写真をメーカーに持ち込んで、「こういう戦車を造れ」と陸自幹部が言ったという都市伝説のような話を、私は都市伝説ではなく事実に近い話だと解釈しています。

陸自に上陸作戦を担う「海兵隊」の機能を持たせる構想が進んでいるそうです。

一見、真っ当な構想のようですが、私には〝また始まった〟というのが正直な感想です。

威勢がいい人は諸手を挙げて歓迎するのでしょうが、上陸戦は攻撃部隊が前進することで発生する「遭遇戦」と違い、意図的に実行される戦闘です。

敵の占領地正面に味方の陸上部隊を送り込み、敵の防衛網を殲滅し敵占領地を奪回することを目的とします。

攻撃側は敵の支配下へ不利な条件で乗り込むわけですが、守備側は上陸可能地点に強固な防御陣地を構築しており、上陸地点において猛反撃に遭うことは必至となります。

LCAC(エア・クッション型揚陸艇)による揚陸となるでしょうが、本当にそこまでする必要があるのか疑問です。

なぜなら、仮に尖閣諸島(魚釣島)の中国による占領という事態となる前に、尖閣上空での航空戦が展開されるはずであり、この時点で実効性のある対処が可能であれば中国軍の上陸は阻止できるはずです。

すでにフィリピンやベトナムとの間で紛争となっている南沙諸島のこれまでの経過を見ると、中国が島嶼の実効支配確立のために正規軍を突如として投入するとは考えられません。

漁民に扮した工作員や軍人が目標に偶然を装い漂着するところから作戦が始まることでしょう。

遭難した漁民救助を理由に、中国政府は公船を派遣するでしょう。

現在の状況下では、尖閣近海に中国公船が存在しており、この作戦は実行できない状態となっています。

現在の状況では中国に本格的な「紛争」にする意思と覚悟はまだ無いことがわかります。

「行き違い」「小競り合い」を繰り返している状態で、紛争に持ち込む「前哨戦」まで至っていません。

中国が紛争とする意思と覚悟を固めたとき、尖閣諸島は戦場となるでしょう。

ただ、偶発的な事故が紛争となる可能性は否定はできませんが、2001年4月1日に発生した米海軍偵察機と中国海軍航空機の空中衝突で明らかなように、双方に紛争となる意思と覚悟が無ければそれで終わりになります。

陸自の海兵隊構想は否定はしませんが、尖閣諸島に中国が「侵略」の牙を剥いたとき、日本政府は独立国家として当然あるべき実力をもってそれを排除する「意思」を持てるのでしょうか。

今の首相は、戦争行為と同等と看做される拉致事件を可決すると威勢のいい話をしますが、「戦争行為」に対し何等手を打たなかったのは今の首相の所属政党が政権政党であった時代であり、拉致を北朝鮮が認めた時点でも手土産で拉致被害者を解放させただけです。

海兵隊構想もけっこうですが、為政者が健全に独立国家として判断できること。そして、様々なシュミレーションを繰り返し、適宜適切な作戦を展開できるよう海兵隊構想前にやるべきことは山ほどあるのです。

コピーではなくオリジナル性を追及すべきではないでしょうか。日本にもSタンクが登場することを願うのみです。

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