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新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :03/29/01:30

01230800 イスラム武装勢力襲撃事件

インターネットを通じて様々な情報が氾濫しています。

アルジェリアの天然ガス関連施設をイスラム武装勢力が襲撃した事件は、アルジェリアによる強行策により鎮圧されたとのアルジェリア当局により発表されました。

しかし、詳細は明らかにされていないものの、人質となった日本人を含む多くの外国人がいるものと見られています。

アルジェリア政府の強行姿勢に、日本を含む欧米各国は批判を強めていますが、アルジェリアの地政学的リスク等から考えれば強攻策を採ることはわかりきっていたはずでした。

武装勢力側は施設を熟知していたとの報道もあり、内部協力者の存在も疑われており、これらの点からアルジェリアの強行策以外に選択肢はなかったのかもしれません。




日本では、「人の命は地球より重い」と言って、テロリストを釈放し海外に送り届けたことがありました。

1977年日本赤軍によるダッカ日航機ハイジャック事件で、身代金600万ドルと収監中のメンバーらの引渡しに応じました。

この措置に世界中から「日本はテロリストまで輸出するのか」と強い批判を浴びました。

しかし、現実的にはこれしか日本に選択肢はなかったのです。

なぜなら、日米安保条約により米国庇護の下、経済成長に現を抜かし、戦争行為を否定することだけが平和を希求する日本国民のあるべき姿だと錯覚していました。

これは、日本政府・日本国民だけでなく、防衛当局にも言えることであり、外交にもこのような平和ボケが広まっていたのです。

今回のアルジェリアのテロリスト襲撃事件で、またぞろ出てきているのが「憲法9条」の問題です。

ネトウヨ等で、「憲法9条」があるから『自衛隊は救出に自衛隊は行けない』とまことしやかに論じています。

〝もっと勉強しろよ!〟そう言いたくなります。

イラン・イラク戦争で、1985年3月17日、48時間の猶予期限以降、イラン上空を飛行するすべての航空機を無差別に攻撃するとのイラクの通告で、イランに滞在している日本人の脱出が問題となりました。

日本政府は日本航空にチャーター便の派遣を求めましたが、日本航空労働組合は、これを拒否。在イラン日本大使館は救援機を派遣している各国と調整しますが、どれも自国民救出で余裕がないとし、200人を超える日本人は完全に取り残されてしまいました。

当時、ニュース映像からイランに残される日本人が、「自衛隊は来ないのか? 何のための自衛隊なんだ!」と怒りの姿が流されましたが、現在でも「当時の政治情勢では、自衛隊を国外に派遣することは難しかった」と、ネトウヨの憲法9条諸悪の根源的のような分析がなされていますが、実は自衛隊には救出に派遣できる航空機がなかったのです。

今回のアルジェリアの事件でも、陸上自衛隊特殊作戦群を派遣するにしても、人員を運べる航空機はありませんし、資機材も運べません。C-130を使って各国で給油を受けながら数日かけてアルジェリアに向かうのが関の山。

特殊部隊を乗せて「日本国」のロゴ入りの政府専用機を飛ばせますか?

航空機の問題だけではありません。

憲法9条の問題がなかったとしても、「軍」が他国の領土に入ることは当然当事国の合意が必要であり、常識的な判断をすれば他国の軍隊を受け入れることは拒絶されます。

仮に日本で、領土問題等のある「中国」「韓国」を標的にした人質事件が発生し、「中国」「韓国」から特殊部隊を救出に差し向けると通告されて〝ハイ、そうですか〟と言えないことくらいわかるはずです。

私は憲法9条は見直しをする時期を逸していると考えていますが、だからと言って、すべての責任は憲法9条にあるとは考えていません。

憲法9条がすべての原因ではないのです。

現実を直視し、問題解決に向かえるよう様々な問題を解決するのが喫緊の課題なのではないでしょうか。

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