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憂い next ver.

新・元自衛官の憂い  ようこそ、時事&軍事雑学BLOGへ!
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  • :04/25/17:07

09090800 その嘘本当?

ソノウホントウ:ドラえもんの道具に鳥の口ばしをした形をしたもので、これを口に付けて嘘をつくと、それが本当になるというものがありました。

性能(?)は非現実的なことでもできる物凄いものですが、そこはのび太君ですからのび太君流の使い方しかしていません。









地下鉄サリン事件を覚えていらしゃいますか?

印象に残っているのは、迷彩の防護服を着た自衛官が地下鉄を出入りしていた光景です。

サリンは殺傷能力が非常に強く、吸収量によって数分で症状が出ます。サリンが怖いのは、呼吸器系からだけでなく、皮膚からも吸収されることです。そのため、防護服とガスマスクは必需品です。

経皮毒性については様々な資料があります。半数致死量は28mg/kgとされ、体重×28mgを経皮吸収すると、その半数が死亡するとされていますが、資料によっては皮膚に一滴垂らすだけで死亡するというものもあります。

サリンは量はどうであれ、皮膚から吸収されるということです。

You Tubeでシリアの毒ガス使用直後とされる映像を見ると、中毒症状(呼吸困難・痙攣)を起こしている人たちを治療しようとしている人のほとんどが手袋もしていません。

あのような治療では、死者はかなりの数に上ると容易に想像ができます。

シリア内戦での化学兵器の使用は、実は今回が初めてではありません。今年3月から4月にかけてダマスカスやアレッポで少なくとも4回使われたことを国連人権理事会で報告されています。

この中には、調査官が「反体制派武装勢力がサリンを使用した可能性が高い。シリア政府軍が使用したとする根拠は無い」と発言し、シリア政府、反政府側ともに相手の使用だと非難し、国連人権理事会は使用者特定をしませんでした。

シリア政府はアレッポでの化学兵器使用に関する調査団派遣を要請し、8月18日に国連調査団がダマスカスに入っていました。調査を開始しようとした矢先、ダマスカス東南地区で化学兵器による大量の被害が発生したのです。

偶然にしては出来過ぎです。そして、中毒症状の市民を看護する人は素手というサリン対応の基本を無視したような映像では、何が「真実」かはわからなくなります。

米国情報機関の報告書では、シリア政府の化学兵器使用と断じ、死者は1429名としています。

国連調査団がシリアに入り、調査を開始しようとしていた時にシリア政府は化学兵器を使うリスクを負うほど価値あることだったのでしょうか。

偶然が重なり過ぎであり、不自然かつ非合理としか言い様がありません。

これが、今回のシリア介入の裏にあるものです。

シリアは500~1,000tの化学兵器を保有しているといわれています。イラクでは湾岸戦争の停戦協定で「大量破壊兵器の廃棄」が決められていましたが、米英両国政府はイラク人亡命者の〝ウソ〟を信じ、その〝ウソ〟を裏付ける情報機関の虚偽報告で米国政府はイラク侵攻を決めました。

国際的には「化学兵器禁止条約」が存在しますが、これは開発・製造・貯蔵・使用等を禁止していますが、シリア、北朝鮮、ミャンマー、エジプトは署名していません。イスラエルは署名しましたが批准していません。

条約に加盟していな国が化学兵器を持っていて、仮に使用したとしても懲罰を与えるべき根拠はありません。

反政府側は様々な集団で統一した組織ではありません。問題は反政府側に外国人等のアルカイダ系の組織が存在していることです。反政府側は政府側に抑え込まれつつあるとされ、反政府側の唯一の望みは米国による介入しか希望が無く、オバマ大統領はこれまで「化学兵器が使われれば介入する」と明言しているだけに、反政府側は一縷の望みを託して化学兵器を使用したと考えるのが合理的です。

武力介入するにしても米国は何を標的にして攻撃するのでしょうか。

私が最も驚いたのは、オバマ大統領の狡猾さです。

闇雲に武力介入に走らず、「越えてはならない一線を越えた」と非難したオバマ大統領ですが、攻撃しなければ米国内のタカ派から「弱腰」と批判されますし、攻撃してもアサド政権を打倒できるほどの介入は現在の米国世論では不可能でしょう、ブッシュ政権のように「無益な戦争を始めた」と汚名を着せられることになります。

そこで、オバマ大統領は議会に下駄を預けてしまいました。

議会が攻撃を認めれば、その責任は議会にあり「無益な戦争」と批判をかわすことができます。攻撃を認めないとなっても、国内タカ派からはオバマ政権が「弱腰」との批判をかわすことができます。

オバマ政権はシリアのことなど、全く考えていないということがわかりますが、自分の延命のために議会に全ての責任を負わせたわけですが、安倍さん、オバマ大統領は狡猾さでは足下にも及ばないことをわかってますか?


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